【感想・ネタバレ】あとかたのレビュー

あらすじ

実体がないような男との、演技めいた快楽。結婚を控え“変化”を恐れる私に、男が遺したもの(「ほむら」)。傷だらけの女友達が僕の家に住みついた。僕は他の男とは違う。彼女とは絶対に体の関係は持たない(「うろこ」)。死んだ男を近くに感じる。彼はどれほどの孤独に蝕(むしば)まれていたのだろう。そして、わたしは(「ねいろ」)。昏(くら)い影の欠片が温かな光を放つ、島清恋愛文学賞受賞の恋愛連作短編集。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

作者読み3作品めだけどやっぱり、言葉選びが本当に良い、素敵。あと、キャラクターも。
物語の中で関連しあった人達の作品集だったけど、最後まで黒崎が謎だったなあ。詳しく語らない方が美しいんだろうけど、過去や考え方、その時思ってたこと、知りたかったなあ全部の物語は違う人達の話だったけど、人がなにか遺したい、と思う気持ちっていうのがメインにあったのかな?子供だって、妻だって所詮他人って考え方、薄情でもあるし気楽な考え方だなと思った。
「ゆびわ」の話、最後は本当のさようならってことなのかな、明美が泣きじゃくってた描写すごく切なくて良かった

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2025年08月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自死したある男の周りの人間たちの話。当人目線が出てこない点では桐島部活やめるってよに通ずる部分がある。
ところどころいわゆる「イタい」「クサい」と表現したくなるような部分があって、薄めで読み流した部分もあったが、基本的には読みやすい文体のためスラスラ読めたし、夢中になって読んだ。
ほのかに女性がミステリアスで神格化されているきらいがあり、作者のwikiに村上春樹が好きというのを読んで少し納得した。
それぞれのストーリーをもっと長く読みたいと思った。もっとどろっとした感情の流れを長く読みたかった。
最初の話、自死した男と関係を持っていた女性の話が一番心に残った。登場人物のセリフの背景や心情を心から理解できたわけではないけれど、なんとなく共感する部分が多かった。「あなたもわたしも信じるものがない」みたいなセリフが一番胸に刺さった。信じるものがないと生きづらいし選択が難しい。
なんと呼べばいいかわからない感情、誰に伝えることもないから間違っていようが正しかろうがどちらでもいいけれど、あの時互いに必要としていたことは事実。その頃に灯された、消えない炎が今でも私のなかを満たす。素晴らしい表現だと思った。

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2025年08月07日

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