あらすじ
女子校の臨時教員・萩原は美術準備室で見つけた少女の絵に惹かれる。それは彼の恩師の娘・小波がモデルだった。やがて萩原は、小波と父親の秘密を知ってしまう……。(「アカイツタ」)
大手家電メーカーに勤める耀は、年上の澪と同棲していた。その言動に不安を抱いた耀が彼女を尾行すると、そこには意外な人物がいた……。(「イヌガン」)
過去を背負った女と、囚われる男たち。2つの物語が繋がるとき隠された真実が浮かび上がる。
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Posted by ブクログ
非常に面白かったです。2つのお話で構成されていて、2章に行った時、あんまり1章と関連性は、ないのかなと思ったけど、ラストが近くなるごとに、色々な考察や、想像が出来てとても楽しむことが出来ました。終わり方が、ハッピーエンドしか読んだことの無い私からすると、ハッピーなのかな?という感じでした。言葉ずかいがとても好みで、語彙力上がりそうだなと思いました。
Posted by ブクログ
千早茜さんの著作を読むのは2作目だけれども、文章から漂う湿度と香りがとても濃厚だなと思います
ファムファタール的なヒロイン 小波をめぐる男たちの話
読む人によって受け取る印象は変わりそうな気もしますが、
破滅に向かう怖さもある前半を受けたからこそ、
より静かに丁寧に男女の、人間の関係について描かれた後半が心に沁み入るように感じられました