あらすじ
運命の恋人フェルゼンと出逢い、ついに本物の愛を知ったアントワネット。しかしフランス王妃としての運命は、女としての幸せを彼女に与えなかった。煌びやかな宮殿から死の断頭台へ――悲劇と感動のクライマックス。
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Posted by ブクログ
下巻のマリー・アントワネット、つまり人生後半の彼女は、とても上巻と同一人物とは思えない程一変している。まさに苦悩の人。
本書はアントワネットに同情的…というか、少なくとも革命派の野蛮さへは非難めいた論調が感じられるのだけど、結局のところ後世のフランスにおいてこの一連の出来事はどう評価されてるんだろう。革命自体は否定されないだろうけど、シマゴーグが過ぎたというか、やり過ぎだった、という風潮があるのかな。
あとがきで、回想録ブームが巻き起こったとか、ルイ18世治下ではみんな手のひらを返した、とかあって、さらにはそこにサンソンの名前も挙げられていて、狼狽した。サンソンもそいつらのうちの一人かい、みたいな。もう何を信じたらいいのかわからない。いや、振り回されすぎだ。所詮私なんぞが目にできるのは誰かのフィルターが何重にもかかった幻影みたいなものなんだから、信じたいものを信じることにしよう。