【感想・ネタバレ】貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考えるのレビュー

あらすじ

貧困研究は、ここまで進んだ! 食糧、医療、教育、家族、マイクロ融資、貯蓄……世界の貧困問題をサイエンスする新・経済学。W・イースタリーやJ・サックスらの図式的な見方(市場 vs 政府)を越えて、ランダム化対照試行(RCT)といわれる、精緻なフィールド実験が、丹念に解決策を明らかにしていきます。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

・貧乏な人は重要な情報を持っていないことが多く、間違ったことを信じている。魅力的で単純な方法でキャンペーンを実施。信頼できる情報源を。
・貧乏な人は自分の人生にあまりに多くの側面について責任を背負い込んでいる。意思決定の難しさ。お金持ちであれば、誰かが正しい判断を下してくれる。⇨先送り傾向⇨既に正しいと分かっていることをできるだけ実行しやすくすれば人生は大幅に改善する。
・一部の市場が貧乏人に提供されていなかったり、そこで貧乏人がかなり不利な価格に直面したりするのにはやむを得ない理由がある。
・貧乏だから失敗する、不幸な過去を持つから失敗確実ということはない。大いなる陰謀のせいではなく、詳細な政策設計における欠陥が原因。即ち、無知、イデオロギー、惰性。
・自己成就的な予言

⇨もっと細かくみよう。怠惰で紋切り型の発想を拒絶しよう。

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2022年02月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった!薄暗い装丁だったのでどんよりした気分にさせる本なのかと思ったら、すっごい前向き。医者が患者に問診するみたいに、色んな角度からのヒアリングと施策と経過観察が繰り返し続く。しかし文章がとにかく長いのが玉に瑕。この粘り強いというかしつこい程の慎重さはどっかで?と思ったら、末の賛辞にピケティの名前があってやっぱりーと思う。各論より後ろの訳者評と総論から読んだ方が分かりやすいかなあと思った。
・正しい知識と情報が必要
・「正しい」判断のデフォルト選択肢が重要
・初期に無料提供した方がトータル安上がりの場合もある
・制度の改良によって改善できることは実は多い
・希望を持つこと、達成感を得ることが好循環の始まり
貧乏人に向けて、というのもあるけど自分のことを言われてる気がしてくるのが不思議。

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2017年03月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

まずは現場に行け。現場の人たちに耳を傾けてることですね。それだけではなく長期的に暮らして、彼らの価値観を理解することも重要。



最後の訳者解説のところに、全体を大きく捉えて、「ドーンと援助しないと貧困は解決しない」という言葉があります。

生成AIに聞くと、『文字通り解釈すると、大規模な援助、つまり大量のお金や物資を一気に提供しなければ貧困問題を解決できないという意味になります。〜(抜粋)〜単純に「大規模な援助が必要」という意味だけでなく、援助の質や持続可能性、自立支援の重要性なども含意している可能性があります。』とのこと。

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2025年01月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

事例が多く、事例に引き込また、
多くの本が引用、紹介されており、これ全部読めばいろいろ相当になるだろうなと感じた。時間がないのでトライ断ねん。

貧乏人へ金銭支援をする。あげた人は解決してほしい問題に使ってほしいが、うまくいかない。貧乏人は目先の快楽にお金を使ってしまう。
貧乏人は、何も持たないから何でも自分でしようとする。チャレンジ精神が旺盛で、小さい家業を営む者も多い。が、ほとんどが小さすぎる。家業が生活の暮らし向きを飛躍的に向上させることはあまりないと言える。
政府からの支援は、その政策がまともで、それをしっかり実行する土壌があって成功する。
貧乏人の多い国では。政策、実行する土壌が整っていないことが多い。結果の出ない支援になることが多い。
支援が実を結んでいる例はある。

第一部
第一章
 貧困に囚われているのか?
 この議論は一般的な原則を理解するのに有効。所得や財産をすぐに増やす方法はあるが、投資をするにもお金がない人たちにとってその方法を選ぶことは難しく、障害となっている。大きく投資できる人が急速に増えるような状況では、貧困の罠が発生することになる。
もし、貧困者の急成長の可能性が大きい場合、豊かになるにつれて貧困の罠はなくなると言える。
 貧困になってしまうルートがたくさんあるのではなく、主要な要因はごく少数。この問題を改善すれば、貧困を解消できる
 現在はデータとツール(RCT)ランダム化対比試がある。。貧困アクション研究所(のちのアブドゥル。ラティーフ・ジャーナル貧困アクション研究所 J-PAL)は新しい経済学を実践できるように支援し政策立案者に広めようとしている
新しい経済学とは、理論だけでは不十分だった経済学を見直し、・・・?現実の状況がそうなっているのかを明らかにし。問題発見。解決策を模索する
■この新しい経済学の記述は私が書いたもの。本書では別の表現で不空箇所にちりばめられている。不足有)P29・32にグラフを用いて旧経済学、新経済学の違いが書かれている。

第2章
 飢えているの定義を見直した方がいい。こんな現状がある。
 貧困者で収入が増えた場合その増えた割合分食費に回されるのではない。また食料購入できた多としても、カロリーの最大化のための購入ではなく。よりおいしい高価なカロリーを買う傾向にある。
収入の増加について、貧困層と富裕層で食費に回す率は変わらない。収入が1%増加しても、食料総額は0.67%しか増加せず、この比率はに両層に差はなかった。
 多くの人が貧困のままなのは食が足りているせいではない。
食事が十分になったととき、収入の劇的向上は見られなくなる。
また食料が買うようになれたとしても、食事を増やしたがらない。カロリー的に実際には減っている。他の栄養バランスも改善が見られない。もっとおいしいものを食べることが優先されている。(本分では中国の支援。インドの経済成長が事例にある)
 ■この点、―運動しても痩せないのはなぜかーの本と同じ傾向が書いてあると思った。普遍法則は非合理的な世界にあるんだなと感じた。まぁ訳の分からないモノに規則性を見つけようとするんだから当たり前か。不自然になるわ、そりゃ。

第3章
貧困の世界では、公衆衛生の改善が重要となってくる。水を殺菌する塩素系漂白剤、塩、砂糖、水道と下水施設、蚊帳、駆虫剤、栄養強化小麦粉などが必要となる。
 貧困の罠の中にはしごを下ろしても、上り方を知らない、さらには登りたくないとすら思っているよう。
 だが健康改善願望はある。健康のへのお金は、民間の医療機関(医師のレベルが十分でない)や伝統的祈祷師に使われる。公的な病院があってもそれを利用することは少ない。なぜか、それは病院がうまく機能していないように見えるから。看護師は欠勤が多く。患者も少ない。誰も利用してないことを不信がり足が遠のく。看護師は仕事がなく、欠勤して・・・の負のループがそこにある。
 価格が安いという点も心理的に大きく影響する。人は高品質を価格で判断し。安いは無価値と判断してしまう。人は今の小さな出資をためらいリスクを未来へ先送りしている。小さな出資からの利益を過小評価していることが多い。
 貧乏な人々は、情報不足、弱い信念、問題の先送りなどの問題に直面している。実は貧乏ではない私たちもこれらの問題を抱えている。今の公衆衛生の仕組みも知らない。豊かな国でも過干渉な支援が行われているが、仕組みの中に埋没し多くの人がそれに気が付いていない。過干渉の支援を受けると、生活の他のことに専念することができる。
 貧乏な人々は、情報を得ても、うまくいかないことが多い。それが実情。
 貧乏な人々への過干渉な支援は大きな恩恵を得られるのも事実

第4章
教育は良い結果を生みだす。が貧乏は人は兄弟の中で最も頭がいい子供に集中投資をする傾向にある。ほかの落ちこぼれ兄弟は教育の恩恵にあずかれず、多くの才能が無駄になっている。
 公共教育の質は燦燦たるものが多い。私立の学校では公立の学校に通うよりも多くの勉強をする生徒が多い。しかし学力の低いも者も多くいる。P124 以下教育に正常な市場原理(学校間の競争による質の向上)が働いていない。教育の中にある独特の重要な問題などか書かれていた。割愛

第2部
省略

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2024年04月24日

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