あらすじ
10万字以上の漢字のなかで、日本語の読み書きに使う目安となる常用漢字は2,136字。これに人名用漢字を加えた約3,000字で過不足はないのか。選択の基準はどこにあり、字体や音訓はどのように決められたのか。本当に常用されているのか。国家が漢字と音訓を制限することの功罪とは。本書は江戸時代の常用漢字を推測する実験から説き起こし、明治以降のさまざまな漢字表を紹介。常用漢字でたどる日本語の150年史。
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Posted by ブクログ
痒い所に手が届くというか……。『私の國語教室』で、漢字についてはあまり触れられていなかったのを、上手くカバーしてくれている。
常用漢字表の持つ力について、筆者はよくよく意識するよう伝えてくれる。
『道草』『羅生門』『山椒大夫』は今から(平成二十七年から)ちょうど百年前の、大正四年に書かれたとある。
さて、この百年は遠い昔とするか否か。
しかし、きっとこの時代に書かれたものを「そのままの形」では読めなくなっているのだろう。それも、恐らく、誰もが。
私も、朝日新聞で漱石の『それから』を改めて読むのが楽しみであった。
けれど、サイズが同じであったとしても、同じにはならなかった部分、それが字という問題点なんだろうと思う。
また、難しい読みをする固有名詞の漢字も、どんどんと平仮名化されている。
筆者の指摘に、なるほどなあ……と思わされた。