あらすじ
幸福は人間の一大迷妄である。蜃気楼である。がそうは悟れない。この悟れない人間を悟れないままに、幸福の夢を追わせつつ救済しよう。人生はこの意味では喜劇であり戯曲である。従ってこれを導く人生論も、諷刺的、ユーモア的にならざるをえない。本書は厭世哲学者といわれる著者が、豊富な引用文と平明な表現で人生の意義を説き幸福を教える名随筆「処世術箴言」の全訳である。
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Posted by ブクログ
晩年の著書『筆のすさびと落穂拾い』の『処世術箴言』という編がこの書にあたる。
内容が濃いこともあり、全体の流れを掴むのに二度、何かしら自らの生活に生かそうと思えば三度は読む必要があるかも。
彼のは、幸福を求めるより不幸を避けるべきであるという考え方。
だから享楽を求めたり、期待しすぎてはいけない。
これは結構大事なことだと思います。
Posted by ブクログ
三ヶ月ぐらいかけてゆっくり堪能。徹底した厭世ぶり。人が幸福なのは不幸でない状態だとする彼の考え方は自分のそれと同じため、読んでいて気持ちよかったです。
快楽や物質や名誉を得るよりも苦痛を回避するべき。それはこの本に書かれていることであり、自分が普段実践しちゃってることです。そのため筆者によれば自分は幸福なはずです。そうなのかな。ふむ。そうなのかもしれない。
でもでも顧みれば自分が失ってしまったものはあまりにも多い気がします。幸せなぶぶもあればそうじゃない部分もありますね。幸せなんてやっぱり定義しにくいですね。
なかなか興味深かったです。
ショーペンハウアーの孤独は言い訳がましいな。