あらすじ
第一次大戦のさなか、戦争のため放縦と無力におちいった少年と人妻との恋愛悲劇を、ダイヤモンドのように硬質で陰翳深い文体によって描く。ほかに、ラディゲ独特のエスプリが遺憾なく発揮された戯曲『ペリカン家の人々』、コント『ドニーズ』を収める。
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Posted by ブクログ
友人に勧められて読んだ本。
恋愛の心理描写のある本を読みたくて。
全体の8割が内観的な文章なのに、
しつこさを感じさせないラディケの文才に驚く。
だらだらとなりがちな物語を、若くして書いたとは信じられない、人生を達観したラディケの一文が引き締める。そういう箇所が随所にあって、いちいち唸ってしまった。
恋愛の感情の波をよく表現していると感心しつつも、あんなに情熱的になれるなんてタフだなと若干の尊敬がわく。まあ主人公にとっては、本当の初恋なので、その情熱に納得しつつ。
後半は、この先どうなるのかとハラハラしつつ読み進めた。
ラストが切なくて複雑な余韻を残す。
フランス映画的な「人生なんてそんなもの」な終わり方だった。ビターだわ。