あらすじ
人間はわが子の育て方が上手でない。本気になってこどもの能力をのばすことを考えないのだ。三歳過ぎまでのこどもは、ほとんどすべての子が天才的能力をもっている。まわりの大人がそう思わないで放っておくので、その能力をつなぎとめられない。ではどうすればいいのか。能力を引き出すために、親は何をすればよいのか。若いときの苦労は買ってでもさせる、人任せにせず親が自分で教える、経験こそが大事である、など子育てで心がけるべきことを提示し、家庭教育の復権を訴える。
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Posted by ブクログ
言葉の習得はまことに難しい。長時間勉強しているにもかかわらず、全く身につかない英語学習をみればよく分かる。何年かけてもマスターできない。ところが、すべての子どもが、親から不完全な教え方しかされていないのに、皆、完璧に言葉が話せるようになっている。まさに天才。多くの子どもが、教えられてもいないのに日本語文法をしっかり理解している。
子どもについていえば、最も能力の高いのは、生後四十カ月。ほとんど全ての子が、幼少期に天才的能力を発揮している。幼い子の育成に本腰を入れれば、この世は天才で溢れかえることになるかもしれない。
生まれてから数年の子育てが一生を左右することになるのに、多くの母親が自分で外の仕事をするのが自己充実と考え、家庭という学校の先生の役を返上している。
兄弟が少なくなり、家庭という学校は過疎化し、有史以来の危機を迎えている。本書は、子どもの能力を引き出すために親はどうあるべきかを様々な事例を通して教えてくれる。
Posted by ブクログ
親が最高のインプリンティングの教材となるべし。
当たり前だとは思うけど、
今一度、考える機会にはなった。
内容うんぬんより
外山さんの文章は無駄がない。
それでいて言い尽くしている。
印象に残ったエピソード↓
見知らぬ母親が、
子供に経験させたいからと、
「お宅の庭のみかん、子供に採らせて」と訪ねてきた、とはビックリ。
「経験は最高の教師である。
ただし、月謝が高い」(byトマス カーライル)
経験さえ積めばいい。ということでなく。苦労するような経験でないと、人は育たないのだぞ!と外山氏は、力説。
・・・導く道を間違えないよう、肝に銘じよう。
Posted by ブクログ
子供と、子育てに関するお話。
かわいい子には旅をさせよとか、「かけっこ」が必要だとか、甘やかしすぎはよくないとか。
平易な文章でわかりやすいたとえを用いた良書。とても共感できる内容であるが、欲をいうと、「当たり前すぎる」内容に私には思えたため、星三つ。
とはいえ、当たり前のことこそ、忘れられやすく、軽視されやすいのかもしれない。