あらすじ
極端な自意識過剰から一般社会との関係を絶ち、地下の小世界に閉じこもった小官吏の独白を通して、理性による社会改造の可能性を否定し、人間の本性は非合理的なものであることを主張する。人間の行動と無為を規定する黒い実存の流れを見つめた本書は、初期の人道主義的作品から後期の大作群への転換点をなし、ジッドによって「ドストエフスキーの全作品を解く鍵」と評された。
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「苦悩こそ、まさしく自意識の第一原因にほかならないのだ。」
主人公の自意識ゆえの苦悩・思想が語られる前半と主人公が過去に経験した3つの出来事が明かされる後半という2部構成になっている本作は、社会と関係を絶ち、自ら地下に閉じこもった、小官吏である主人公の独白を通して、人間の本質に迫る。
「意地悪にも、お人好しにも、卑劣漢にも、正直者にも、英雄にも、虫けらにも。」
何者にもなれなかった主人公は、極端な自意識という地下室から出ることはできないのでしょう。もはや出ようともしないのかもしれません。ここまで緻密に、克明に、自意識に向き合った作品はないのではないでしょうか。
肥大化する自意識に苦しむ現代人にこそ読んでいただきたい、文豪ドストエフスキーの傑作です。
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Posted by ブクログ
東浩紀さんのYouTubeの切り抜きでおすすめされていたので読みました、
何度も何度も何度もこれ私じゃんって思った。(当然主人公のような語彙力が無いからだいぶスケールは下がるけど)
だから、こういう自意識過剰すぎて生きづらい人間はいつの時代も居るよなあと思った。
あと、訳者解説の部分の、美しい理想を持っていて、それに伴わない醜い自分を理解していることが絶望的だということを描いている(うろおぼえ)みたいなのも、すごくそう!そうなの!と思った。
パニックのように一瞬で思考が行ったり来たりする描写がリアルすぎて、ドストエフスキーもそういう片鱗があるのかなとも思った。
だから、進歩的な思想とゆーか、人間は合理的な行動をできるし、それを奨励していけば最良な社会が実現する!という考えにはうーん、賛成できないかな〜とも思った…
またドストエフスキーの他の作品も読みたい!
Posted by ブクログ
繰り返される自己ツッコミのため、もう誰の話をしてるのか本人もわからなくなってしまってる自意識過剰な長台詞に笑う。
ぶつかりおじさんとしても登場する。彼らの心情ってこんな感じなのだろうか。
旧友との食事会で嫌われるようなことばかりして、最後は友人からその場に居ないものとして無視された挙句、仲直りしたくて気づいてもらおうと店の中を閉店まで行ったり来たりしてる健気な一面も。だったらそんなこと最初からしなければいいのに、そういうわけにもいかない性分らしい。
癖はあるので好き嫌いは分かれそう。
Posted by ブクログ
ちょっと衝撃。
読んでいて、凄く恥ずかしく屈辱的な気持ちになった。本を読んで初めての気持ちかも。
苦痛は快楽の意味はわからない(笑)
最初の方の独白は笑う、1人コントや。
けど、同級生との話に入ったとたんやばい!ってなった。恐らく自分を重ねて読んでいた。凄く共感できると思いつつも、そう思う自分を悲しいとも思ってしまう。胸の痛くなる話だったな。ドストエフスキーは初めて読んだけど、ハマってしまうかも。罪と罰は積読しているけど、いつ読もうかと楽しみ。
えー、ちょっとすごい本を読んでしまった。
Posted by ブクログ
主人公の哲学、半生を描いたもの。
主人公の醜悪な性格、言動の矛盾など現代でも共感力の高いものだと思う。救われなさがとても辛いところがあったが。
みすぼらしい格好、低賃金の職についていながら、それでも恥に敏感で、虚飾に塗れる姿。
他人との交流を願い、かつての学友にぞんざいに扱われることに憎悪しながら、自分より立場の低い人に対して支配的になる姿。
これらが巧みな筆致でありありと描かれておりとても面白かった。