【感想・ネタバレ】幸福論のレビュー

あらすじ

多くの危機を超えて静かな晩年を迎えたヘッセの随想と小品。はぐれ者のからすにアウトサイダーの人生を見る「小がらす」など14編。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

読んで幸せになれるような本ではないけれど、孤独な人の本だろう。
ぼんやりと瞑想にふけるような気持ちにさせてくれる本だ。


本は気分を変えてくれるが、気分が本を探してくれるということもあるんだと思った。ヘッセの作品はそういうものが多い

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2012年12月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『車輪の下』で知られる
ヘルマン・ヘッセのエッセー集。
正直とっつきにくく、何度も挫折した。

ただ、触れて行く中で、
次第に味わいが増した。
幸福を少年期のあらゆる束縛を
離れた一瞬にして永遠たる時の中に見出す。
まとめると『幸福は 時間を離れた 時の中』といったところでしょうか?

【今日の一冊11『幸福論』2016/01/09】

『車輪の下』『ガラス玉演戯』で、
知られるノーベル賞作家
ヘルマン・ヘッセのエッセイ集。

タイトルとなった「幸福論」、
宮沢賢治「永訣の朝」を彷彿させる
「マルラのために」など14編。

その中から、
「日本の私の読者に」に
ついて、少しご紹介を。

1957年にヘッセ80歳の記念に、
全集を出したいと伝えたところ、
「自分の年齢では明日
まだ生きているかどうか、
まったくわからない。
それゆえお望みの序文を
今のうちに書いておきました」
と寄せられた。

ヘッセのユーモアと
心遣いを感じさせる。


東方と西方との間の
真剣な実り多き理解は、
政治的社会的領域において、
私たちの時代の大きな
まだ達成されない
要求であるばかりでなく、
それは、精神と生命の
文化の領域でも、1つの要求、
緊要な問題であります。

今日では、日本人をキリスト教に、
ヨーロッパ人を仏教や道教に
改宗させるというようなことは、
もはや問題でありません。

私たちは改宗させたり、
改宗させられたり
すべきではありません。

そういうことを欲しもしません。

そうではなくて、
心を開き、広げるべきです。

そうしたいと思います。

東方と西方の知恵を、
敵意をもって抗争する
力としてではなく、
実り多き生命が揺れ合う
両極として、私たちは
認識するのです。

ヘルマン・ヘッセ

……

東方=中東、西方=欧米、
と考えれば、その間に立つ
「日本」と考えれば、
今に通じる思想におもう。

もう、60年以上前の話で、
人類の進歩と、
個の時間軸の違いに
忸怩たる思いがする。

ただ、「問題」ではなく、
「可能性」として向き合うことが、
できれば、何かを変えられる
かもしれない。

そんな風に考えている。

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2016年01月09日

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