あらすじ
多くの危機を超えて静かな晩年を迎えたヘッセの随想と小品。はぐれ者のからすにアウトサイダーの人生を見る「小がらす」など14編。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
読んで幸せになれるような本ではないけれど、孤独な人の本だろう。
ぼんやりと瞑想にふけるような気持ちにさせてくれる本だ。
本は気分を変えてくれるが、気分が本を探してくれるということもあるんだと思った。ヘッセの作品はそういうものが多い
Posted by ブクログ
『車輪の下』で知られる
ヘルマン・ヘッセのエッセー集。
正直とっつきにくく、何度も挫折した。
ただ、触れて行く中で、
次第に味わいが増した。
幸福を少年期のあらゆる束縛を
離れた一瞬にして永遠たる時の中に見出す。
まとめると『幸福は 時間を離れた 時の中』といったところでしょうか?
【今日の一冊11『幸福論』2016/01/09】
『車輪の下』『ガラス玉演戯』で、
知られるノーベル賞作家
ヘルマン・ヘッセのエッセイ集。
タイトルとなった「幸福論」、
宮沢賢治「永訣の朝」を彷彿させる
「マルラのために」など14編。
その中から、
「日本の私の読者に」に
ついて、少しご紹介を。
1957年にヘッセ80歳の記念に、
全集を出したいと伝えたところ、
「自分の年齢では明日
まだ生きているかどうか、
まったくわからない。
それゆえお望みの序文を
今のうちに書いておきました」
と寄せられた。
ヘッセのユーモアと
心遣いを感じさせる。
…
東方と西方との間の
真剣な実り多き理解は、
政治的社会的領域において、
私たちの時代の大きな
まだ達成されない
要求であるばかりでなく、
それは、精神と生命の
文化の領域でも、1つの要求、
緊要な問題であります。
今日では、日本人をキリスト教に、
ヨーロッパ人を仏教や道教に
改宗させるというようなことは、
もはや問題でありません。
私たちは改宗させたり、
改宗させられたり
すべきではありません。
そういうことを欲しもしません。
そうではなくて、
心を開き、広げるべきです。
そうしたいと思います。
東方と西方の知恵を、
敵意をもって抗争する
力としてではなく、
実り多き生命が揺れ合う
両極として、私たちは
認識するのです。
ヘルマン・ヘッセ
……
東方=中東、西方=欧米、
と考えれば、その間に立つ
「日本」と考えれば、
今に通じる思想におもう。
もう、60年以上前の話で、
人類の進歩と、
個の時間軸の違いに
忸怩たる思いがする。
ただ、「問題」ではなく、
「可能性」として向き合うことが、
できれば、何かを変えられる
かもしれない。
そんな風に考えている。
…
#viewpoint
#communication
#resource
#ヘルマン・ヘッセ
#幸福論
#マルラのために
#日本の私の読者のために