【感想・ネタバレ】シッダールタのレビュー

あらすじ

シッダールタとは、釈尊の出家以前の名である。生に苦しみ出離を求めたシッダールタは、苦行に苦行を重ねたあげく、川の流れから時間を超越することによってのみ幸福が得られることを学び、ついに一切をあるがままに愛する悟りの境地に達する。――成道後の仏陀を讃美するのではなく、悟りに至るまでの求道者の体験の奥義を探ろうとしたこの作品は、ヘッセ芸術のひとつの頂点である。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

「考えること、待つこと、断食すること」
本質なんだなと思う。(断食する行為自体が本質とは思っていないが)
繊細で人間的な明と暗。読みやすく、広く翻訳され世界中の方に宗教を超えて愛読されている理由がわかる一冊でした。

0
2025年08月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

聡明な、でも生きることに疑問を抱いている主人公が、さまざまなな体験を通して、ついには悟りを得る話。

主人公の名はシッダールタで舞台はインドだけど、あの仏教の開祖仏陀の話ではありません。仏陀は別人としてシッダールタの前に現れます。自分にはなかなか難しくて、読むペースもゆっくりになったけど、読んで本当に良かった。めっちゃいろいろ考えた。メモまで書きながら読んだ。

シッダールタは仏陀に教えを乞いながら、彼の元を離れる。それは「仏陀の教えは素晴らしいけれども、言葉ではそのすべてを伝えることは不可能=じゃあ自分で悟らなきゃダメじゃん」という理由だと読んだ。んで悟りを得るために?俗世に戻るも、元が聡明なシッダールタはそれでもダメだと絶望しかける。でも川のほとりで渡し守と暮らすうち、何事にも完全なピュアなものなどなく、さまざまな面を持ってるんだ、悪あってこその善なのだと気づき、悟りを得るために自分の人生はこれでよかったと最後救われて終わる。

話自体は短いのに、めっちゃいろいろ考えて、あー読んでよかったと心に残る一冊になった。
そしてこの感想も、言葉にした途端なんか陳腐になってしまい、でも書かずにはいられない、そんな切なさも感じた。
いいですね、ここまで考える読書。純粋に楽しむ話は大好きだけど、こういうのもこれからも読んでいきたいです。

0
2023年06月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分がいかに無知であり、ある意味で凡人であるかを思い知らされる。

「釈迦」の出家以前の名「シッダールタ」、悟りの境地に達するまでの苦悩、師、友、俗世、欲、自然、苦悩...数多の出会いと体験から学んだシッダールタが辿り着いた境地。

興味深く読み終えることが出来ました。



『車輪の下』『デミアン』等で知られるドイツの文豪・ヘッセが描いた、釈迦「悟りへの道」。
20年にわたりインド思想を研究していたヘッセが、第一次世界大戦後に発表した。

シッダールタとは、釈尊の出家以前の名である。生に苦しみ出離を求めたシッダールタは、苦行に苦行を重ねたあげく、川の流れから時間を超越することによってのみ幸福が得られることを学び、ついに一切をあるがままに愛する悟りの境地に達する。
――成道後の仏陀を讃美するのではなく、悟りに至るまでの求道者の体験の奥義を探ろうとしたこの作品は、ヘッセ芸術のひとつの頂点である。

【目次】
第一部
バラモンの子
沙門たちのもとで
ゴータマ
目ざめ

第二部
カマーラ
小児人たちのもとで
輪廻
川のほとり
で 渡し守
むすこ
オーム
ゴーヴィンダ

注解
解説 高橋健二

本文より
彼は初めて世界を見るかのように、あたりを見まわした。世界は美しかった! 世界は多彩だった! 世界は珍しくなそに満ちていた! ここには青が、黄が、緑があった。空と川が流れ、森と山々がじっとしていた。すべては美しくなぞに満ち、魔術的だった。そのただ中で、彼シッダールタ、目ざめたものは、自分自身への道を進んでいた。このすべてが、この黄と青が、川と森が初めて目を通ってシッダールタの中に入った。それは、もはやマーラ(魔羅)の魔法ではなかった。……(第一部「めざめ」)
※マーラ…修行の妨げとなるもの。悪魔。

ヘッセ Hesse, Hermann(1877-1962)
ドイツの抒情詩人・小説家。南独カルプの牧師の家庭に生れ、神学校に進むが、「詩人になるか、でなければ、何にもなりたくない」と脱走、職を転々の後、書店員となり、1904年の『郷愁』の成功で作家生活に入る。両大戦時には、非戦論者として苦境に立ったが、スイス国籍を得、在住、人間の精神の幸福を問う作品を著し続けた。1946年ノーベル文学賞受賞。

高橋健二(1902-1998)
東京生れ。東大独文科卒業。ドイツ文学者。第8代日本ペンクラブ会長、芸術院会員、文化功労者。1931(昭和6)年ドイツ留学中に、ヘルマン・ヘッセを識り、交流が始まる。『ヘッセ全集』の全翻訳と別巻『ヘッセ研究』で1957年、読売文学賞を、1968年、『グリム兄弟』で芸術選奨文部大臣賞を受賞する。『ヴァイマルのゲーテ』『ケストナーの生涯』などの著書の他に、訳書多数。

0
2023年05月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ヘルマン・ヘッセの著書を読むのは初めてでしたが、非常に美しく著者の思想が表現されていました。
本書の最後でシッダールタが親友ゴーウィンダに説教するときに、一つの真理は常に、一面的である場合にだけ、表現され、ことばに包まれるのだと説いています。つまり、善悪、優劣、喜怒哀楽などのことばは全てある側面から見ているだけに過ぎないということです。
じゃあどうすれば真理を理解できるのか、それは自分で様々なことを経験することだと著者の分身であるシッダールタは説いています。
何者から与えられたものよりも自分の経験に勝るものはない、百聞は一見にしかずというやつです。
このことばを忘れず私も動くということを忘れずに生きていきたいです。

0
2022年03月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

お父さんのオススメの本らしい。
悟り開けると思って読んでみたものの、
結構難しくてもう一度時間が経ったら読みたいなと思った。
時間はないっていうことが少し響いた。
人の後ろ(過去)にその人を表すものが並んでいるのでなはなく、その人の中にあると。
また、知識は誰にでも得られるけど、
知恵は経験しないと得られないということにも。
私はどうしても知識を得るだけで満足してしまうことが多い。お母さんの行動はいつも疑問に思ったりすることが多いけど、それが案外本質をついてたりする。それは、どんどん自ら経験して知恵を積み上げて自然にあるべき道を選んでいるからなんだなと。
わたしもそんな人間になりたい。

0
2021年10月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前提として、この本の主人公「シッダールタ」は、仏陀とは違う。
主人公が、親友やのちに恋人となる女性、その女性との間に生まれた子、船の渡し守たちとの出会いを通して、悟りに到達する話。
時間をかけて、集中して読みたいと思いました。

0
2025年04月27日

「小説」ランキング