【感想・ネタバレ】郷愁のレビュー

あらすじ

豊かな自然に囲まれて育ったペーターは故郷を離れ、文筆家を目指すため都会生活を始める。彼はそこで多くの人と出会い、多くの事を学ぶが、心の底では常に虚しさを感じていた。文明の腐敗に失望し、故郷に戻った彼を待っていたのは、シンプルな暮らしと新たな出会いだったが……。叙情にあふれた美しい自然描写、青春の苦悩、故郷への思いを見事に描いた、著者の処女作にして出世作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

まず「郷愁」というのは意訳であるが、原題は「ペーター・カーメンチント」というひとりの名もなき男の自叙伝である。故郷はカーメンチントの原点でありいつも彼とともにあるが、本人が認めるのは最後の最後である。チューリヒ編、バーゼル編、アンジ編、バーゼル・ボピー編(パリは大胆に割愛されている!)振り返るとそれぞれ甘苦く生々しい記憶が綴られている。チューリヒ時代の若い輝きが懐かしい。それにしても…(誰しも一生を振り返れば思い出したくもない記憶の一つや二つあるにしても)この主人公は、愛は一度も成就せず、親友はみな死に、なかなか気の毒である。

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2021年02月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

師弟関係のような緊密な人間関係に注目するヘッセではなく、1人の人間の変遷に注目するヘッセだった
粗野な家系に生まれた自然を愛する田舎者の主人公が、変わり者の叔父に勧められて学問の道へ進むことになる
しかし中高では周りに馴染めず、1人屋根裏部屋で本を読んで詩を書いて過ごしていた
大学に進学してからは音楽と芸術を愛する快活な友人ができ、そこを経由して芸術家である想い人もできた
そんな友人は卒業旅行の数日後に川で溺れ死に、想い人は別の人が好きだった
学生生活で唯一得られたものは友情だとも言っていた主人公は打ちひしがれて
酒に溺れるようになった
それでも歴史批評と詩作とを続け仕事にしながら、学者友人の会に出かけたりもする
その中で生意気な少女と打ち解けるが、やはり少女も婚約者がいた
田舎者の旦那の家に通い詰め、そこで疎ましがられている繊細な障害者と仲良くなり
彼が死ぬまで共に暮らす
最後に故郷に帰り、父と叔父と自然との変化のなさや理想との折り合いをつけて物語は終わる

僕がヘッセに求めているのはプラトニックで緊密な上下関係であるため、人間関係が目まぐるしく変わっていく今回の作品はあまり刺さらなかった
しかし、青年が学問と両親と劣情とに理想を持って自立しながら現実と折り合いをつけていくある種の冒険譚的要素や、知識人の精神的で空虚な見栄に見える生活の批判と市民の物質的で健康な生活への賞賛(本によっては逆の立場も)、そして主人公の学問への憧れと愛情は、自然の描写と共に、どのヘッセ作品でも心を浄化してくれるので相変わらず好きだ

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2026年06月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ヘッセの出世作。成長小説。アルプス生まれの自然を愛する主人公が、都会に出て様々人と出会い、別れを繰り返し成長して故郷に帰る。

故郷が田舎で現在東京に住んでいる自分も読み終えて郷愁を感じた。薄い本だが、翻訳でもありすらすら読める感じではない。

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2017年10月22日

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