【感想・ネタバレ】サマー・キャンプのレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年10月17日

彼女作の「ぼくはこうして大人になる」と少し近かった。清浄な淡白な文章と設定、ドロドロで欲望と希求溢れる内容。長野まゆみの、錯綜した性や女性男性の垣根を分からなくさせる得意の内容だった。読んでいて誰が何の性別でどんな印象でどんな人物なのかわからなくなる。いかに自分の人物評が性別に依るかが分かって嫌にな...続きを読むった。ジェンダーの問題を主眼に置きつつも主人公、温の性別や染色体や病気を探るものではなくてそれは唯の手がかりで自分は何者なのか、どういう生活をしてきたか誰なのか、社会と相対的に存在する自分はどこにいるのかを探っていった。
自分が何者なのかということを探ることで自分の世界、自分にとっての愛おしいものをがむしゃらに品位なく探し涙しみっともなく理解することを書いていた。

「ぼくはこうして大人になる」と似ているといったのは、守られる存在、自分が弱い立場でありながらそれにうすうす気づきつつも見て見ぬふりをしてある意味で傲慢に自分の世界を暴こうとする様が見える点だ。
でも彼は気づいてしまう。自分は子供で守られるがそれは薄氷の上にあるものだと。親子の絆はとうになく、叔母の信頼という愛はもう少し他の通常とは異なり、辰は放蕩者だ。時にそれらは無遠慮な温の言動によって爆発し、自分の立ち位置をいつも知らされる。

記憶と視点がごっちゃになっているのでたまにパラパラよみ返しながら読んだ。ふわふわ読もうとするとわからなくなる。キャラの一部がなんかエヴァみたいだな。

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