あらすじ
なぜ信長は殺されたのか? 教育パパ家康が子どもたちに学ばせたものは? 江戸時代の教育事情は?
『武士の家計簿』『無私の日本人』など、著書が続々と映画化されている気鋭の歴史家が、広く、深く、日本史を見わたせるような歴史のトピックを厳選。かろやかな語り口を楽しむうちに、いつのまにか日本の歴史のたどり方が身につくエッセイ集。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
歴史家磯田道史さんの随筆集。
歴史に名を残す信長、秀吉、家康などの為人やエピソードあり、からくり儀右衛門など政治に直接関係のなかった人のエピソードそして学び、昔の人の日記などから暮らしぶりや生き方をわかりやすく解説してくれたり、歴史の中での離婚の位置付けや名前の由来の歴史などなど、いろんな角度から歴史って面白いなと思わせてくれる本。
古文書などは自分で読み解けないけど、この本が読み解いてわかりやすく解説してくれるので知識が広がります。
儀右衛門の時代は道楽という心豊かな言葉があり、朝から晩まで勉強に関係のないことで夢中になっていても親御さんが暖かく見守ったことで自由に力を発揮し現在の東芝の土台ができたという話は、親になった今大事にしたい考え方。
あとは、武士道を重んじて世の中のために善を尽くしている立派な方も、家族は犠牲にしていたなど、歴史の中のエピソードだけではわからないことがたくさんあるなぁと感じています。
Posted by ブクログ
<目次>
略
<内容>
朝日新聞土曜版に連載の記事をまとめた本の文庫化(原本は2008年刊)。磯田さんは古文書をきちんと読めこめる稀有な人。江戸時代あたりが専門だが、現代的なテーマとつないで解読することができる。なので、この本の内容も現代的なところでは古いが、歴史的な古びていないので信憑性が高い。文庫版のあとがきに書かれている、取り上げたテーマの解説がいい。
Posted by ブクログ
タイトルで想像していた江戸時代に起こったエピソードを記したもの、とはちょっと違った。
必ずしも江戸時代に限らない。
何しろ夏目漱石の奥さんのことまで書いてあるのだから。
でも今の日本は、敗戦で劇的に姿を変えた部分と、それでも変わることのなかった部分があり、この本を読んでいると日本人に生まれたことがむふむふと嬉しくなる。
昔から、そして世界で一番へその緒を大事にする日本人なんて書かれた暁には、ご先祖様とも子孫たちともへそで繋がっている気がしてきます。(今の私のへそは人工物ですが)
徳川将軍家の起床時間は朝6時、大名は7~8時、天皇は8時ころに起床していたらしい。
現在の重役出勤なんてのとは逆で、将軍が一番早起きだなんだって。
信長と親しかった細川幽斎が信長が滅んだわけを語っている。
一度敵対したものは謝ろうが家来になろうが許そうとせず、一度でも信長の不興をかった家臣は殺されると思いこみ、次々に背いたのだって。
さて、大河はどう切り込んでくるのかな?
Posted by ブクログ
相変わらず磯田さんはすごい!
古文書の翻訳家、それも興味深いものばかりを厳選している。どれだけの古文書を読み尽くせばここまで行けるのか、感心させられる。
相場の格言
思い入れ違いの節は早速手仕舞、40-50日は休むべし!売りならし、買いならしは厳禁!
まず、損失の見積もりをすべし!
Posted by ブクログ
教科書には載っていないけれど
知っていたら歴史が面白くなりそうなエピソードがたくさん載っている。
多少偏っている感があり特に幕末は西軍寄りな雰囲気はあったが、初心者の方でも楽しめると思う。
信長が大蛇を探す話や、
秀吉がお稲荷さんを弾圧したり
竜宮城にお願いをしたりするエピソードが面白い。
家康が騎馬と水泳を大事にしたというのもなるほどと思った。
岩槻城の太田美濃守資正が犬好きで軍用犬を飼っていた
というのも、先見の明があるように思う。
鷹山の話で、当事者意識という表現がわかりやすかった。
罪人が出るのは自分のせいであると考えるのは
非常に繊細だが、それくらいの当事者意識を持って
政治家には政治に当たって欲しいと思ってしまった。
江戸時代は変わり者がやりたいことをやれて
一見無駄に見えるものに寛容だったというのが
なんだか羨ましい。
からくり儀右衛門こと田中久重の両親が、
家のことは無頓着で良いと言ってくれるところがすごい。
蓮月尼が自分の為に棺桶を用意しておいて
普段は米櫃にしていて、しかも困った人がいたら
棺桶を譲ってしまうというのに驚く。
とかく日本は子育てに向いていないなどと言われるが
それは飽く迄現代の話で
日本人の子供好きは世界的にみても類例のないぐらいで可愛がられて微笑ましいと外人が記録している
というのは誇らしくもあり、現代が残念にも思えた。