【感想・ネタバレ】ウォーレスの人魚のレビュー

あらすじ

ダーウィンと同じく〈進化論〉を唱えたイギリスの博物学者ウォーレスは、『香港人魚録』という奇書を残して1913年この世を去る。2012年、セントマリア島を訪ねた雑誌記者のビリーは、海難事故で人魚に遭遇する。マリア一号と名付けられたその人魚は、ジェシーという娘に発情してしまう。2015年、沖縄の海で遭難した大学生が、海底にいたにも拘わらず、3ヵ月後無事生還する。人間はかつて海に住んでいたとする壮大な説を追って、様々な人間達の欲求が渦巻く。進化論を駆使し、今まで読んだことのない人魚伝説を圧倒的なストーリー・テリングで描く渾身作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

歴史的にそういう人物がいたのか?進化論を書いたダーウィンにヒントを与えた学者のウォーレスが人魚の存在を見つけ書いた本から物語はスタートしている。

そして、現在の地球にその人魚が現れ、その真実を探していく中で起こる様々な事件。
テンポよく進む話が読むスピードまでアップしてくれ、あっという間に最後までたどり着いたという感じ。

ひょっとしたら進化の過程で人間と人魚に枝分かれしたのかも(^^;)などと思わせる検証や、人間の中にその潜在意識が残っているような記述など発想も楽しい。

SF小説としては必読の秀作です(^-^)

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2015年02月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

十数年ぶりに再読したけど、ここまで面白かったのかと驚かされた。
題名に「人魚」と付いてるけど、話はファンタジーではなく人魚を進化の途中で人間と枝分かれした近縁種と捉えたSF。

この作品で描かれるのは、壮絶な生態を持つ「生物」としての人魚。
グロテスクで、儚くて、人の倫理観に照らせれば残酷ですらあるのに、それでも人の心を惹き付けてしまう危険な存在です。
その辺りの二面性は高橋留美子の「人魚シリーズ」に通じるものがあるな、と思った。

内容に辻褄が合わない部分(なぜウォーレスが人魚の生殖のメカニズムに気付かなかったのか)やご都合主義なところもあるけれど、
ライアンとそのチームの面々といった登場人物たちが魅力的で話にどんどん引き込まれて、先が気になって一気に読破してしまいました。
たとえ禁断の愛であっても密とジェシーには幸せになってほしいな。


年をとらない少女に肉体を吸収され、文字通り一心同体となり、何十年も共に生きて最後は一緒に死ぬ、っていうのはある意味究極だよな、と読んでて羨ましくなった。

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2013年05月17日

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