あらすじ
第二の犠牲者となった番頭の横田が握りしめていたのは、譜本『綱館』の切れ端であった。これはいったいなにを意味しているのか? しかし捜査は進展のないまま、安東流家元・安東喜左衛門の傘寿記念の大演奏会の日がやってくる。それはまた、一連の惨劇の幕明けの日でもあった……。芸に生きる者たちの妄執と悲劇を華麗に描き、名探偵・伊集院大介を世に送りだした、第2回吉川英治文学新人賞受賞の傑作。
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Posted by ブクログ
上ではボーイズラブの作品かと思いました。
下に入ると,一転,三味線の家元の家での複雑な家族を背景にした連続殺人事件になっていきます。
あるいは,最後は連続自殺事件なのかもしれません。
伊集院大介が登場するが,最後の最後まで脇役です。
特に,上では,主人公は家元の子供たちだったのが,最後に主役逆転。
吉川英治文学新人賞受賞作品ナだけあって,
小説としての完成度も高いということなのだろう。
透明感ある伊集院大介が,それでも人間性を重視しているのが特筆できる。
他の名探偵とは一線を画すると思うがいかがだろう。