あらすじ
イタリア雑貨の買い付けをしながら一人暮らしをしていた私の家に、七歳下の従妹チエちゃんがやって来た。率直で嘘のないチエちゃんとの少し変わった同居生活は、ずっと続くかに思われたが…。家族、仕事、恋、お金、欲望。現代を生きる人々にとって大切なテーマがちりばめられた、人生のほんとうの輝きを知るための静謐な物語。
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Posted by ブクログ
よしもとばななさん、初めてよみました。
有名な方なのに なんとなく御縁がなかったのか、特に避けていたわけでもなく、食わず嫌いのような感じだった…のかなぁ?不思議。それがいま、こうして触れているのも不思議です。
たまたま、10年くらい前の雑誌のインタビューをみて、そのまま流れるように読んでみました。
自分であること、そこには世界があること、誰のものでもなくて、急かされていなくて、卑屈になることはなくて、大事なものを大事にしていられるしあわせ。
生き方、言葉にならない寂しさ、仕事をするということ、自分とも重なったり違ったり、悩みながら生きている人はどこかしらにひっかかるところがあるのではと感じました。
物語を読んでいるのだけれど、自分の中の自分に会いにいくような感覚。
カオリさんは自分の中にダイブできるのがすごい。自分は浅瀬で潜りかたがわからなくてじたばたしているところでもあるし、ある程度自分も歳を重ねてきて、感じることがあるんだろうなと思いながら読めました。空気感が心地よかったです。文章の感じはクセもあるのでしょうか。他のも読んでみたいと思います。