あらすじ
十数年前、韓国を襲ったIMF危機。それまで「日本的経営」マネジメントスタイルで成功していたサムスンは、存亡の危機に陥る。ここで覚悟を決め、慣れ親しんだマネジメントスタイルを捨て、「内向き」から「外向き」に、大胆な組織改革を断行した。世界中から有能な人材をかき集め、デザイン力を武器に製品開発力を強化。さらには、「現地に骨を埋める」ように人材を育て、新興国市場を席巻する。結果、いまや世界的企業に飛躍し、日本のライバルメーカーを凌ぐ「強さ」を身につけている。今回、トヨタやパナソニックなど、企業ルポに定評があるジャーナリストの著者が、「秘密主義」の会社として名高いサムスンの経営幹部に密着取材。知られざるマネジメントの実情を詳しく明らかにする! そこから、北米、アジアでの“激烈な企業競争”に勝つビジネスモデルを提示していく。
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Posted by ブクログ
サムスンは如何に世界的企業に上り詰めたかをコンパクトに書いた本。絶対的にサムスンのやり方が正しいとは思わないが、今の日本企業に足りない姿勢がサムスンにあるのは確か。後は国策としての産業支援をやり抜く韓国の国力に今の日本が勝てるのか
Posted by ブクログ
サムスン、則ち韓国企業の強さはどこからくるのか。
バブル後の失われた20年にもがく日本企業を尻目に戦略的な人材確保と競争精神の醸成と強さの源が感じられる。
一方で後半では、超成果主義や儒教が広く信仰されているが故の世間体へのプレッシャーなどの揺らぎも紹介されている。
先端分野で世界を席巻する韓国の雄、サムスンについて深く理解できる本。
末尾には、トヨタ自動車の章男社長の苦難が書かれている。これはサムスンの新しい社長の器を図るこれからの至難についての一つの例として記されているのだが、章男氏のこれまでの苦難(リーマンショック、品質問題、大震災)の話にやけにジーンときてしまった…やはり日本人だ(..;)
Posted by ブクログ
サムスン。実に気になる会社である。
分析した本がいくつか出ているが、手軽そうなので衝動買い。
後発企業が、選択と集中。そしてオーナー企業ならではの思い切りで世界トップクラスまで一気に駆け上がってきた手法は興味深い。一方でその仕組みの弊害も出始めているようだが、それすら克服してしまいそうなスピード経営は恐るべし。
もはや死後となった、モーレツ社員とモーレツ企業。こことどう戦っていくのか。。
最後に心に残ったのは実は、トヨタの豊田章男氏の言葉。
2015年に世界販売台数1000万台を視野に入れるとするものの、目標とするのは台数ではなく、1000万人の顧客である。と明言したとのこと。この発想は極めて大事だと感じた