【感想・ネタバレ】使の者の事件帖 : 3 何れ菖蒲か杜若のレビュー

あらすじ

門前仲町で「美女入れ札」が開催される。第一位と第三位は、誰もが納得する美形だったが、第二位に選ばれた女は、どう見ても美女と言いづらい容貌の持ち主で、方々から疑問の声があがる。するとその翌日、第三位、第二位に選ばれた女が立て続けに殺され、第一位の女に裏切られた男が下手人に浮上する。「使の者」猪三郎たちは調べを進めるうちに、ある陰謀に気づき……。話題沸騰のシリーズ第三弾!

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人殺しが頻発する深川界隈

この物語の内容を私はどうしても掴めない。ここに描かれている世界は、俗に言い方をすれば、普通の人つまり堅気の人の世界とは全く別の世界だ。理解の及ばぬ遠い世界の出来事であると感じて、リアル感を持てない。港町深川で人殺し事件が山のように発生している。死人が積もって山になっている。
深川一帯を縄張りとする地廻り一味を全滅させる南町の町廻り同心の話し。
そして平和の象徴ともいえる美人コンテストの催事の後、コンテストで2位と3位になった小町娘の殺し。
更に、高利貸し業と深川芸者の殺し・・・など
いずれの事件に共通しているのが、南町奉行所の町廻り同心の存在である。
町廻り同心は、普段、街中を歩いて治安を護る。町人や商人と接する機会が多く、困りごとや警備の相談などを受ける。そしてその際には礼としてお金を受ける事も多いだろう。これが慣習になっている。不浄役人とも言われる所以だ。
今回の事件では、奉行所同心が街中に資金源となる場所を増やそうとして、殺人を犯してしまう。
南町与力村雨と猪三郎、鹿の丞、お蝶の家来三人がそうした同心を殺し、事件を決着するやり方が良いか悪いか、私にはよく判らない。
誰かを殺して事件が起き、犯人を殺して事件を終わらせるというやり方は、ただ死人を増やすだけで、私にはどうしてもなじめない。犯人の同心を捕縛して、裁きを受けさせるのが筋だだろう。法に従って裁きを受けさせるべきだ・・・
いずれにせよ、南町奉行所内が殺伐とした状態になり、まるでヤクザような乱暴な集団に見える。奉行所の内部が乱れに乱れる。
物語の終盤では村雨一同の殺しの仕方をまねた事件まで発生する。更に、将軍家の親類筋にあたる殿様を探索しようする。明らかに奉行所の仕事ではなく、将軍直属の目付の仕事であろう。
村雨の上司、奉行の筒井憲政が物語に一度も顔を出さないのもおかしな事だ。奉行筒井にこの始末が出来るのかヒヤヒヤ心配しながら読んでいた。

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2024年05月29日

Posted by ブクログ

第三弾
美女入れ札にある企みが、邪魔になる娘を殺すための悪企み
筒井奉行の失脚を企む、旗本と与力更には幕閣の大物
見事裏をかいて始末

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2019年12月18日

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