【感想・ネタバレ】花鳥のレビュー

あらすじ

7代将軍の生母、月光院の生涯を描く長編。

5代将軍・綱吉が発した「生類憐れみの令」への恐怖で傷ついた小鳥を助けられず途方に暮れていた浅草の住職の娘・輝を救った若者は、後の6代将軍家宣だった。思いがけぬ成り行きが続いての大奥入り、7代将軍の生母・月光院となった輝。未曾有の大事件「絵島生島事件」に遭遇して、腹心の絵島を失うまでの激動の生涯を、丁寧な女性の心理描写で人気の藤原緋沙子が描く。

清らかに必死に生きた聡明な女性・月光院への共感と哀切が湧き上がる傑作長編。

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Posted by ブクログ

江戸時代1番の悪法とも言える生類憐みの令を
発布した綱吉。
小姓上がりの柳沢吉保の中老時代は、
収賄が習慣化する時代でもあり、貨幣の金銀含有率は
すでに低く、貨幣価値は下がり市民は疲弊していた時代。
そこから、引き継ぎ7代目の母ともなった家宣の側室。
「輝」と呼ばれた幼少時代から、記録を掘り起こし
8代将軍にも大切にされた人徳者「月光院」の生涯を描く。

人となりを丹念に、家族に見舞われた政の事件の数々。
それらが、絡み合うように物語は流れてゆく。
読み応えのある女性史とも言える一冊。

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2018年02月11日

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