【感想・ネタバレ】ギフト 西のはての年代記Iのレビュー

あらすじ

ル=グウィンが描く、〈ゲド戦記〉以来のYAファンタジーシリーズ第一作!〈ギフト〉と呼ばれる不思議な能力を受け継いだ少年オレックは、強すぎる力を持つ恐るべき者として父親に目を封印される――。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ル=グウィンの『ゲド戦記』シリーズのあとしばらくたった書かれたファンタジー。少年オレックと少女グライの物語。

オレックはカスプロマントの跡継ぎで、代々「もどし」のギフトを継承することが期待されている。グライは隣国のロッドマントの生まれで、母から「呼びかけ」のギフトを継承している。「呼びかけ」のギフトは動物たちを呼び寄せるもので、動物たちにとって狩られるという負の部分と人間に飼いならされるという正の部分をもっている

オレックの母のメルは低地の生まれで、オレックの父カノックが「もどし」のギフトと交換に手に入れた低地から贈られた「ギフト」でもある。低地の人々から、カスプロマントなど「高地」の人々は魔法使いとみなされていたが、その低地からやってきたエモンという流れ者とオレックとグライの会話から物語が始まる。

「もどし」のギフトを継承できているのかどうかオレックには自信がない。「もどし」のギフトは眼差しを対象に向けると対象を破壊してしまうという暴力的なギフトだ。ある時、オレックには自覚がないままに、飼い犬を殺し、蟻塚とその周辺を破壊してしまう。父がそばにいたのだが、父はその眼差しを封印しなければ危険だという。カッダートという偉大な祖先は荒ぶるギフトを封印するために目隠しをしたという故事にならってオレックは目隠しをして暮らすことになる。

敵対する隣国ドラムマントとの応酬で、その支配者のオッゲの「すり減らし」のギフトによって母メルは衰弱死し、オッゲを「もどし」のギフトで殺すが、自らも矢を受けて命を失った父カノック。父の死をきっかけにオレックは新たな旅立ちを決意する。

狩りのために動物を呼び寄せるために「呼び寄せ」のギフトを使いたくないグライと自分自身が父からギフトを継承していないことを自覚し、母から受け継いだ物語を記憶し、創り、語る力を自覚したオレックは、彼らの能力を「低地」で活かして暮らしてみないかというエモンの言葉に導かれるように、ふたりで新たな旅立とうとするところで、年代記Iが終わる。

次の物語が楽しみだ。ただ、ギフトというと、贈物という訳語を思い浮かべてしまうが、賜物つまりは、才能という意味も含んでいることがこの物語の重要なポイントである事を忘れてはならない。

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2021年03月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ファンタジー
サンリオやハヤカワ文庫で知ったSF作家ル=グウィンと、『ゲド戦記』や『空飛び猫』の作者が一緒と気付いたのは、21世紀になってからだ

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2019年05月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「ゲド戦記」以降久々に読み応えあるファンタジーに仕上がってると思う。
「ギフト」に翻弄されるオレックが自らの力を封じるために目隠しをしつつ、それでも冷静な判断と精神的な成長を果たしていくのは読んでてすごく引きこまれた。翻訳もそんなに気にならず、細かい表現部分で却って原書を読みたい気がした

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2011年09月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

はじめに覚えたのは戸惑いで、ずいぶんと説明調だなと。
物語というのはいつでも、序盤では特に説明的にならざるを得ない。しかし、説明するのではなく物語れとは自身の言葉ではなかったか、と。

やがて、説明調というよりは、読み聞かせ、あるいは朗読の本なのかもしれないと思うようになった。

最後に覚えたのはまたしても戸惑いで、物語の結末を強引に変更したような印象がある。続く予定ではなかった物語を、続くように変更したような。
続編で確かめてみるとしよう。

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2022年09月19日

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