あらすじ
ソニーから東芝まで
事件な企業の決算書を、会計士が読み込む!
数字の羅列から、記者会見からは決して見えてこない企業の「裏の顔」が明らかに。
粉飾、内紛、リストラ、資金繰りの悪化――。
会計士には、隠し事はできない。
・ソニー:赤字決算にもかかわらず、なぜ多額の法人税を納めているのか?
・大塚家具:トップの座を巡る父と娘の対立は、実は日本型経営と米国型経営の対立だった
・日産:コストダウンでは絶対に削ってはいけない数字がある
・キーエンス:企業内平均年収1600万円超。「工場がない製造業」はなぜ儲かるのか?
・スカイマーク:倒産する企業はまず決算書のここに赤信号がともる
・東芝:監査が見逃した「ソフトウェア開発の数字」に、異常事態がはっきりと現れていた
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Posted by ブクログ
タイトル通り、会計士の目からみた各会社の実態を財務諸表から紐解いていく本。簡単な会計的な背景知識の整理とともに、実際の事例を通して活用事例を紹介してくれるほんは非常にありがたい。
<メモ>
・ソニーのように利益の二倍もの法人税が支払われている場合、100未満の子会社では巨額の黒字が計上され、多額の法人税負担が生じるため、総額の利益額に対して多額の税負担が生じている見立てになることがわかる。
・東芝の事例。工事進行基準が適用される場合、実態が外部から把握しづらいく見積もりが改ざんされることにより、実態とかけ離れた利益額が計上されることになってしまうことがある。
本当は50%しか計上できないのに80%分が計上されてしまうことがありうる。
その他、在庫評価損の見送りなども不正会計として行われうる。不正会計によって、黒字が赤字に転落してしまう場合、単独の不正科目のみならず、繰延税金資産やのれんの減損などにもつながり、非常に大きな会計的な影響を及ぼしうる。
・不正会計のパターンとして、PL上は良好であっても、CF上でFCFがマイナス続きになってしまうことなどが多い。