あらすじ
ビジネスでワンランク上の世界にいくために欠かせない語彙力は、あなたの知的生活をも豊かにする。読書術のほか、テレビやネットの活用法など、すぐ役立つ方法が満載!読むだけでも語彙力が上がる実践的な一冊。
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文は人なり
一部ご紹介します。
・豊かな日本語を声に出して読めば、それがそのまま「自分自身の語彙」になっていく。引用は「教養のアウトプット」である。
・少しでも気になることがあったら、すぐ「検索」する。
・インターネット上のレビューは「使える語彙」の宝庫。「まとまった情報」としてのレビューには、集合知という価値がある。
・知識を掘り下げたいときは、専門書やネットを使う。
・短い文章の中にも、人格は確実に現れる。「文は人なり」。語彙と思考はセット。
・「歌詞」「映画」は、語彙を身に付ける上で、最上の教科書。
・洋画の「字幕翻訳」には、翻訳と語彙の妙が詰まっている。
・語彙が豊かになると、コミュニケーション能力が上がる。仕事もスムーズにできるようになる。
Posted by ブクログ
語彙力があがれば見える世界は広がる。
語彙力を鍛えるために、インプットとアウトプットのコツがまとられた本。
様々なジャンル、媒体にアンテナを張り、良質な語彙を血肉に変えていきたい。
Posted by ブクログ
「言葉は身の文(あや)」という。言葉はその人の品性、知性、教養を一瞬にして曝け出す。だから、語彙力はできるだけ高めた方が良い。日本人の語彙力の低下の原因は、素読文化の減衰にあり、素読は語学習得の一番の近道というのが著者の主張。そういえば、中学・高校時代(1980年前後)には、徒然草、源氏物語、方丈記、平家物語、奥の細道などなど暗唱させられた。今ではそのような課題は出されないのだろうか?
本書では、教養を感じさせる様々な語彙が紹介されている。なんとなく分かっているようでも、使いこなせないものも多い。
泣いて馬謖(ばしょく)を斬る/邪知暴虐(じゃちぼうぎゃく)/衒学的(げんがくてき)/河岸を変える/怠け者の節句働き/水は方円の器に従う/金棒引き/憤せずんば啓せず。悱せずんば發せず/死せる孔明生ける仲達を走らす/髀肉の嘆(ひにくのなげき)/託つ。。。「語彙のアウトプット」の練習をしなければと実感。
特に印象に残ったのは、夏目漱石は日本の語彙を大きく変えた人物のひとりだということ。中世以降、次第に大きくなった話し言葉と文語との乖離を小さくする取組み(言文一致)が日本の文化社会にどのような影響もたらしたのかは、あまり考えたことはなかった。江戸時代からの庶民の識字率の向上と併せて、文学や学問が広く庶民に広がる役割を果たしたことは間違いない。それだけでなく、洋書を通して入ってきた外来語(特に学術用語)は、それに相応する日本語訳が「発明」され、日本の学術レベルを先進国並みに引き上げたことも重要だ。日本が近代化するうえで大きな革命をもたらした一因だ。
さらに、それまで国(藩)ごとに異なっていた日本語を統一したことは、「日本人」としてのアイデンティティを確立したことも重要だ。
同様な例は、「ドイツ語の祖」とも言われるマルチン・ルターである。ルターは、宗教改革に繋がる「95箇条の論題」をヴィッテンベルクの Castle Church に貼り出したことで有名だが、大きな功績は、それまでラテン語で書かれていた『聖書』をドイツ語に翻訳し、一般庶民も聖書に触れることができるようにしたこと。ヨーロッパ史に大きな転換をもたらしたのは言うまでもない。
タイトルがいう「語彙力こそが教養」はあまり適切と思えない。明治期に発明された「教養」は、英語の culture から来ていることから、その知識をcultivate(耕す=展開する、応用する)ことができて初めて教養と言える。知識や語彙力だけでは不十分。そう意味で少し不満は感じるが、一読すれば、語彙が持つ深みや重みも垣間見ることができる著書である。軽薄な単語を多用しつつ、通じ合えることで仲間意識を確認し合っているような若者に対して、一石を投じる良書だと思う。