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Posted by ブクログ
これまでの繋がりとともに、また新たな物語が四編。
再生がテーマだと分かっていても、その再生のための道が極めてよく出来ていて、ついつい感動してしまう。
不安と戦うのは、心の筋トレというのは、このシリーズからもらった大切な一言である。
Posted by ブクログ
シリーズ4冊、あっという間に読破しました。物語に、登場人物それぞれの人柄に惹き込まれて読書の手が止まりませんでした。
どのお話にもそれぞれ好きなところはありますが、1番身に染みたのは第一話。
「自分を憐れみたくなったら、誰かに八つ当たりしたり、甘えたりしないで、自分で自分の機嫌を上手に取って元気になる。それこそが、大人の嗜みというものよ」という言葉を噛み締めています。
自分を憐れんで傷ついて、誰かに機嫌を取ってもらうことで安心する、そんなことをしようとしてしまう自分がいます。
でも、その方法だと本当に安心できることなんてなくて。
きちんと、自分を元気にできるようになりたいな、と思いました。
シリーズを通して、様々な人とシャールさんの関係性が垣間見られますが、柳田先生の存在がシャールさんにとってとても大きなものなのだろうな、と思いました。
御厨清澄としての自分も、シャールとしての自分も、ありのままに見てくれる。嫌悪感は隠さないけど、拒絶はしない。絶妙な受け入れ具合だと感じます。
登場人物の色んなことに想いを馳せるとシリーズが終わってしまったことが寂しくなります。
またいつか、マカン・マランとご縁があると良いなと願うばかりです。
Posted by ブクログ
マカン・マラン おし(四)まい
ああ、大好きなシリーズが終わってしまった…
とても良い〆だった。
いまさらだが、マカン・マランは1冊で1年を描いていた(やっと気づいたのー?!)
一年の締めくくりはふぅーとひと息つくのと同時に、なぜか少し寂しさを感じる。
四作目もじわっときた。
第一話の女子高生。若いときほど独りよがりが過ぎることがある。自分勝手。
自分のキズにばかり敏感で、振り払った他人のキズには見向きもしない。そういう経験を重ねて、人は優しくなっていくのだろう。
『友達に限ったことではないわね。親子とか恋人とかでもそうでしょうね。特別な関係になると、つい嬉しくて、相手に多くを期待したくなっちゃうけど、期待って簡単に甘えに変わるから』
『自分を憐れむのって癖になるの。だって、傷つくのって楽ですもの』
第二話では『みたび』で出てきた料理人 省吾の同僚だった料亭「ASHIZAWA」の芦沢庸介が登場。
こんなに強くてエネルギッシュな人が、マカン・マランを必要とするの??と読み進めてくと…。
世界に出る人はやはり精神力が強い!居心地のいい場で癒しの場があるのもいいが、戦うのを厭わない人もいるのだ。
『自分で自分を救うのに、どこの誰に、一体なんの遠慮がいるというの』
第三話もまたしても『みたび』の仮面夫婦 耀子の回に出てきた二十代の更紗が登場。
二十以上の年の差婚ですれ違いを感じはじめる。いつも不安で「特別」になりたいと思っている。人に依存するのではなく、自分で進んでいく。親になるならなおさら強くならなければならない。
『人は誰かに見送ってもらえれば、案外、次の一歩をしっかりと踏み出せるものよ』
『不安と向き合うのは骨が折れるわよ。筋トレって基本的に苦しいものだから。でもそれを続けていけば、完全な解決はしなくても、心の筋肉は鍛えられるのではないかしら』
第四話 また一年が終わる…
この年はシャールがみんなへ「ガレット・デ・ロワ」を振る舞う。
フランスの1月6日の公現祭に食べる特別なお菓子。
【公現祭、Epiphany、顕現】
顕現…日常生活や普通の出来事の中に、何かの本質が突然姿を現す瞬間とかにも使われる。
パイの中に“フェーブ”という陶器のアイテムが入っている。本当はパイの中に1つだけだが、これにはみんなの分を入れた。
シャールはみんなのこれからを願い、これをプレゼントしたのだろう。
シャールは読者にもプレゼントを贈ってくれた。
このシリーズの外の登場人物、美青年の旅立ちをここに描いた。
そして『おしまい』の各話、最後のブロックのあたまにアイテムを仕込んだ。何が出てくるかは読んだ人だけのお楽しみ。
シャールの孤独も、読者の孤独も癒してくれる、マカン・マランのカンテラは今日も灯っているのだろう…
ーー
各話の紹介(公式サイトより)
◆…主要キャラ ◇…サブキャラ
●第一話「さくらんぼティラミスのエール」
"ぼっち"に怯える女子高生に
(秋元希実 …ビーズ好きの高校生。友人関係に悩む。マカン・マランで習う)
●第二話「幻惑のキャロットケーキ」
時代の最先端をひっぱるイケメン料理人へ
(芦沢庸介 …料亭「ASHIZAWA」のオーナーシェフ。省吾と同じシェフのもとで働いたことがある。)
●第三話「追憶のたまごスープ」
トロフィーワイフの立場に固執する若奥様に
(平川更紗 …夫とは二十以上の年の差婚。耀子とおなじくタワマン住み)
●第四話「旅立ちのガレット・デ・ロワ」
お店を訪ねてきた美青年。彼に、シャールが渡したプレゼント
(雪村襟香 …柳田の教え子、水泳選手。性同一性障害。※別作「銀色のマーメード」の人物)
Posted by ブクログ
何回読んでも良い。
シャールさんの強さと優しさを感じる
「さくらんぼティラミスのエール」
ティラミスには「私を元気にして」という意味があるのか。シャールさんと比佐子さんが甘えたいわよ、私もというのが新鮮。本当に甘えられるのは親しかいなかったんだな。子供に戻って私も甘えたい。
「 人と人が付き合っていく限り 仲違いとか勘違いとかは消してなくなることがないの どれだけ 年を重ねても人間関係は悩ましいものよ 自分を憐れみたくなったら誰かに八つ当たりしたり甘えたりしないで自分で自分の機嫌を上手にとって元気になる それこそが大人のたしなみというものよ」
「幻惑のキャロットケーキ」
儲けとは信じる者。信頼あってこその、儲けと人に言わせる者。
「 自分で自分を救うのに どこの誰に一体何の遠慮がいるというの」
「 追憶のたまごスープ」
ちゃんと不安にむきあってるからこそ苦しい。初めて妊娠した女性は、全員が不安で不安でしかたがないもの。本当にそうだな。
「 不安と戦うのは筋トレ みたいなものだと思っているの それは不安と向き合うのは骨が折れるわよ 筋トレって基本的に苦しいものだから でもそれを続けていけば完全な解決はしなくても心の筋力は鍛えられるのではないかしら」
「旅立ちのガレット-デ-ロウ」
身体と精神力を鍛えろと3つの感嘆
何かを食べたら美味しかった 朝起きたらよく寝た スポーツをしたり 風呂に入ったりした時には気持ちよかった
私も実践しよう。
キジトラちゃんがすごく可愛かった。
クリスタさんは、会計士なのか。私も大好きなカフェのお手伝いがしたい。
最後の静かな年末で静かに終わる。
続きが読みたい。
Posted by ブクログ
シャールさんの視点で完結したのがよかった
いろんな人の物語があったが
このシリーズの中でも一番響いたのは3話目。
同じ女性として、
ブランド物やいいお店に連れて行ってもらっても
孤独に感じる瞬間、何者でもない自分
誰かに与えられた人生
周りの人が妬ましくなる、
こんな感情はあるのではないか、と思った
ただ、そう妬ましいと思っていた人も
いろんな苦悩があり、それがこの物語の中で
多様な視点で出てくるので、
自分だけが悩んでるのではない、
一人きりじゃない、と思えた
とてもいい本でした
Posted by ブクログ
今回は特に書き留めて、
覚えておきたいなあと思う箇所が多かった。
私が印象に残ったフレーズを
記録するようになったのは
マカンマランの本の中で
なるほどそういう考え方があるのか~と
思うことがたっくさんあったからだ。
それからというもの、どんな本でも
好きなフレーズ、印象に残ったフレーズ
いろいろと記録するようにしている。
とうとうマカンマランシリーズ最後。
病気してからのシャールは
どこか不安を匂わせるシーンが多くて
内心そわそわしながらシャールがどうなったのか
気になりながら読んでた。
いつも美味しいご飯と
みんなの背中を押し続けてきてくれたシャールさん。
1作目から登場している人たちが
最後にして、こんな風に変わり各々の人生を
歩んでいる様がかかれていて胸が熱くなった。
どうか、シャールさん含めて
マカンマランに出てきた皆が
これからもずっと幸せでありますように。
最高に素敵な作品を読ませていただきました。