あらすじ
2009年9月に漫画家・松橋犬輔氏の実弟が逮捕された時の実話を漫画にしています。裁判傍聴をずっと描いていた自分の弟が逮捕される…この嘘みたいなまさかの出来事の裏側や被告人家族の心境を赤裸々に描いた漫画界初の問題作がついに一冊にまとまった。
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Posted by ブクログ
裁判傍聴漫画を連載中に、実弟逮捕の知らせを受けた作者。
9ヶ月間に渡る全8回の公判と、その間の被告人の家族としての心情を描いた、渾身の作品。
いつもは傍聴する側だった作者が傍聴される側になる事で、常日頃題材にしている裁判というものの見つめ方に、より厚みが増して行く様がリアルです。
しかし、単に「実話だから」ではなく、「当事者の身内が描いたものだから」がこの作品の眼目。
新聞・テレビで連日報道されるような事件は、結局のところ他人事だと思うから、下された判決に対しても重いだの軽いだの言えてしまう。しかし証言台に立つ被告人が、物心つく前から一緒に育ってきた兄弟だったら……。
家族だからこそ口を突いて出た「判決が軽くなることを望んでいない!」の重さに、胸が塞がりました。
また、北尾トロ氏が解説でも述べられていますが、一番恐ろしかったのが兄弟間のコミュニケーション不全。留置場での面会シーンはトラウマになりそうです。これだけ表現力のある漫画家さんがこんな風に描くんだから、きっと現実にこんな感じだったんでしょうね……。
第4回公判の「それ普通のことだよ」、第5回公判の「あなた そんなに悪いことしてないんじゃないの?」裁判長って超怖い。
Posted by ブクログ
「ここは懲役4年でどうすか」の作画を担当した漫画家・松坂犬輔の実弟が逮捕され、被告となった仰天の実話に基づいています。
これまで「第三者として膨張する立場」だった作者が、「被告の家族として立ち合う」視点に立たされることになり、これまで「見ていたはずなのに見えていなかった」色々なことに気づかされる一つ一つが、まさに身を切り地を吹き出すようで、迫真です。
いつまで経っても自分の中では被告人が「幼いころの優しくていい子のまま」でいるお母さんが、ただただ悲しい。
漫画の題材にすることで母親から拒絶されても描く決心をした作者の想いが染み渡ります。その後和解できていてほしいと心から願います。
「弟の罪が軽くなることを望んでいない」の重い一言は、これまで裁判を多数膨張してきたからこそのもののように思えました。
Posted by ブクログ
裁判傍聴記録を漫画化していた作者が、実弟逮捕という実話をプロ意識に押されて漫画化。自分が悪いことをしたと、まったく分かっていないアホな弟、「本当はまじめで優しい子なのに」と打ちひしがれる母、そして弟に怒り、母の姿に涙し、そして被告の家族という過酷な立場でボロボロに疲れながらも漫画を描き切った作者。
そう、これは最後に彼の編集者が言うとおり、裁判漫画ではなく家族愛の漫画になっているのでした。
けっこう残念
無料で読めるところまでが大変面白かったので、滅多にない事ですがお金を払って続きを買いました。課金して以降、中身が期待より物凄く短かったのでずっこけました。購入金額が四分の一くらいなら妥当かと思いました。残念です。