あらすじ
甘い笑顔を持つ美しい妹が心を病み、死んだ。姉の私は頭を打ち28年間の記憶を失ってしまう。さらに弟が未来の一部を予知できるようになって……。“半分死んだ”ようになった私と“チャネリング小僧”になった弟は、高知やサイパンへの旅の中で、生命の輝きを取り戻していく。無力感にとらわれ、心が闇に近づく時、支えてくれる日常の確かな手触りと輝きを描ききった。人類を救う永遠の傑作。
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Posted by ブクログ
ちょっと心が弱っていたのでこの本の世界に持っていかれそうになった。
でも一言一言大事に言葉を発したり考えたりする登場人物ばかりでその人たちの紡ぎ出す言葉が私は好きだった。
『その時は死ぬかと思うくらい退屈なのに、後で思うと狂おしいくらい愛しいものだ。』p86
『その人がその人であることは、壊れていく自由も含めてこんなにも美しい、ひとにきめてもらえることなんて何一つ本当じゃないんだな、としみじみひかるように生きる彼女を見ていて私はよく思った。』p113
『何でもかんでも自分で潜って取ってくるのが一番生々しい獲物なのだから。』p208
「食べ物美味しい?食べ物の味をちゃんと感じてる?朝起きると楽しい?1日が楽しみ?夜寝るとき、気持ちいい?」
「友達が前から歩いてきます。楽しみ?面倒?目に映る景色がちゃんと心に入っていますか?音楽は?外国のこと考えてみて。行きたい?ワクワクする?それとも面倒?」
「明日が楽しみですか?三日後は?未来は?わくわくする?憂鬱?今は?今をうまくやってる?自分のこと気に入ってる?」p238〜239