【感想・ネタバレ】悲しみのイレーヌのレビュー

あらすじ

週刊文春ミステリーベスト10 2015年海外部門 1位!コニャック・ミステリ大賞など4つのミステリ賞を受賞!異様な手口で惨殺された二人の女。カミーユ・ヴェルーヴェン警部は部下たちと捜査を開始するが、やがて第二の事件が発生。カミーユは事件の恐るべき共通点を発見する……。ベストセラー『その女アレックス』の著者が放つ衝撃作。あまりに悪意に満ちた犯罪計画――あなたも犯人の悪意から逃れられない。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

『その女アレックス』から逆行して読みました。
既にカミーユに起こったこと、それが彼にどんな影響を及ぼしたのか、結末まで知っているのに怒涛のクライマックスまで一気に突き進むスピード感は凄まじく、引き込まれました。
何なら私も最後のパトカーに同乗していて、衝撃で頭がクラクラしているような気持ちになりました(笑)

……結局のところ、これはシュヴェンヌが獄中で完成させた小説を(手紙とともに)カミーユのもとへ送ってきた、この本はその全貌である、ってことなんでしょうか?
はたまた、既にそれが出版されていてあなたが読んでいるこの小説はそれですよ、ってことなんでしょうか。
(だとしたら二重トリックのようで面白い仕掛けですね)

普通に読めば第一部まるごとシュヴェンヌの原稿であり、第二部からはカミーユたちの視点の物語(ある意味では本編はここしかない)ということになりますが、エピローグで本(の出版)について犯人が話しているのを見ると、どうも混乱します。

ある意味、この本に実際の真実などひとつもなく、我々が読んでいるのはシュヴェンヌが書いた原稿そのものにすぎない、と考えることもできるような気がしてこないでしょうか。

2作目もトリックが凄い話でしたが、驚き度合いで言えば今作の方が驚かされました。

読み終えて、「どうしたらエレーヌの死を回避できたのだろう」という思いに囚われ、「シュヴェンヌのつきまといに対してもう少し事務的にしていたら?」とか、「無下に断って敵対意識(=こいつを打ちのめしたいという気持ち)を煽らなければよかったのか?」と考えてはみたものの、住所は(相手が記者だから)バレているわけで、(カミーユは広告に住所を載せたことを悔やんでいましたが)……。

シュヴェンヌがどの段階から計画を立てていたのか分からないですが、恐らくこういうサイコキラーというのは「一度目をつけたら絶対」でしょう。
だとすれば、悲劇を免れる道はなかったのか……そう考えると、どんより沈んでしまう読後感の残る作品です。

しかし、ヒントを提供したにもかかわらず家族の闇を洗いざらいカミーユに話さなければならなくなったルザージュ氏が不憫。
どれくらい不憫かというと、ハリーをまもろうとしていたのに「あいつが犯人だ!」とローブに火を放たれたスネイプ教授くらい不憫でしたね……。
あのあと、兄妹関係はどうなったのか。
個人的には気になるところです。

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2025年02月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

殺され方がどれも残酷で、正直言って好みの本だった。映画しか見たことないけど『羊たちの沈黙』が好きな人は好きなんじゃないかな。

バッドエンドはあんまり読んだことないけれど、結末も救われなくてカミーユが本当にかわいそうだったけれど、本としては面白かった。

犯人も、まぁ身近にいる人なんだろなって感じはしたけど、お前かっていう衝撃感もあって良かった。

続きも楽しみ。

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2025年01月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

割と序盤で結末が分かってしまった...なんならタイトルで察しがつくというか
第一部/第二部の仕掛けや文体・描写が良いので大した欠点にもならなかったが

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2024年11月25日

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ネタバレ

「その女アレックス」を先に読んだクチです。
ですので、この話の結末は分かっていました。
だから、前半のカミーユと、イレーヌの幸せそうなやり取りのシーンは読んでいて辛かったです。

この作者の本、これで三冊目やけど、どれも最後をモヤモヤしたままにして終わらせますね…まあ、それがまた、持ち味というか、クセになるというか、何だかんだで受け入れてる自分がいますけど。

「ミステリがこれほどもてはやされるのは、人々が無意識のうちに死をもとめているからです。そして謎を。」
このセリフは、なるほどなぁ、と思いました。
確かにそう言う一面はあるかも。

このシリーズ、あと一つあるらしいので、ここまで読んだら最後の一冊まで付き合ってみようかと思います。

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2025年08月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ずっと読みたかったシリーズ。
海外の翻訳小説は読みにくくてなかなか手が出なかったけど、最近読み出した。
不気味な雰囲気と救いのない結末。
ザワザワしながら夢中で読んでしまった。
怖すぎるー。

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2025年07月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ふと気が向いてヴェルーヴェン警部シリーズ4冊まとめて買ったので1巻から順番に読むことにしました。
タイトルからなんとなくわかってたけどラストつらい…………。
奥さんの名前がイレーヌってわかった時点で嫌な予感はしたし、もうすぐパパになります!幸せです♡を押し出されるたびにとんでもなく嫌な予感はしてたけどあまりにもむごい……

一部がまさかまるまる小説だったとは。小説だったおかげで今までの情報をどこまで信じていいのかわからなくて、困惑しながら二部読んだけど差異はだいたい説明してくれたから特段疑う必要はなかったな……。

ラスト悲しすぎて……。
もーーーーーー最悪だよーーーーー夢でもうなされそう。
イヤミスってなるほどこういう作品のことをいうのか……。作品としてはすごくたくみで読ませる力に溢れてて良かったです。面白かった。江戸川乱歩の人間椅子と有名な石に泳ぐ魚/宴のあと事件を思い出しました。あのあとカミーユを主人公にした"作品"は出版されてしまうんだろうか……。
2巻のその女、アレックスの方が有名みたい?なので続きも楽しみ。

あとからフランスの原題が「travail soigné(丁寧な仕事)」と知って傷口がえぐれた。まあ、たしかに、そうだね……。

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2024年11月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「傷だらけのカミーユ」を読み終え、ヴェルーヴェン警部シリーズの第1作が本作である事を知り、立て続けに読み終えました。

「その女アレックス」から著者の作品を読み始めましたが、驚くのは本作が著者のデビュー作であるということ。

遅咲きのデビューとのことですが、ストーリーの組み立てが実にうまい。

そして、著者自身もかなりの読書家なんだろうと勝手な想像をしています。

巻頭からの斬殺な殺害現場はJ・ケッチャムの「オフシーズン」を彷彿させるグロさがあり、そこから続く猟奇殺人とそこに隠された謎を第一部として描き、謎解きと共に新たな展開を見せる第二部。

謎が解き明かされ犯人が明らかとなると同時に、最愛の妻であるイレーヌにその毒牙がおよぶ。

ハッピーエンドで結ばれない本作は、その後続いていくヴェルーヴェン警部シリーズの始まり。

昨日読み終えたばかりの「傷だらけのカミーユ」、過日読んだ「その女アレックス」を再びしっかりと読んでみたいと感じたのは私だけではないだろう。

説明
『その女アレックス』のヴェルーヴェン警部のデビュー作。 奇怪な連続殺人をめぐる物語がたどりつく驚愕の真相。 若い女性の惨殺死体が発見された。パリ警視庁のヴェルーヴェン警部は、裕福な着道楽の部下ルイらとともに捜査を担当することになった。殺人の手口はきわめて凄惨で、現場には犯人のものと思われる「おれは帰ってきた」という血文字が残されていた。 やがて過去の未解決事件とのつながりが浮かび上がる。手口は異なるものの、残虐な殺人であることは一致していた。これは連続殺人なのだ。そして捜査が進むにつれ、犯人は有名なミステリ作品に登場する惨殺死体を模して殺人を繰り返しているらしいことが判明した。ジェイムズ・エルロイの『ブラック・ダリア』、ブレット・イーストン・エリスの『アメリカン・サイコ』……ほかにも未解決の事件があるのではないか? ヴェルーヴェン警部らは過去の事件のファイルを渉猟し、犯人の痕跡を探る。 しかし警部は知らなかった――犯人の魔の手が、自身の身重の妻イレーヌへと伸びていることを。 強烈なサスペンスとともに語られてゆくサイコ・キラーとの対決。だがそれは第二部に入るや、まったく違った相貌を読者にみせつけることになる! 『その女アレックス』の殺人芸術家ルメートルの衝撃的デビュー作。

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2024年07月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

不穏なタイトルにずっとハラハラしながら読んでいて、カミーユが最初の広告を出した時点で結末を確信、悲劇に向かって進んでいくのを苦い気持ちで読み進めていたのだけど、唐突に迎えた第一部の終わりには唖然。
このどんでん返しは面白かった。
実際の捜査はどんな感じだったのかが気になる。
この手の仕掛けのミステリは嫌いじゃないけど、とにかく犯行の残虐さが突き抜けているから、二度と読み返したくはない。

『その女アレックス』でネタバレされてるから絶対にこちらから読むように言われてそうしたのだけど、タイトルがすでにネタバレじゃない…?
まぁでもそれがないとイレーヌが出てくる時の緊張感がなくなって、ただの退屈なシーンにしか思えなかっただろうから正解なのか。

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2025年08月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

第一部までの感想
登場人物の容姿の美醜の描写がいちいち偏見的で細かくて、見た目が良い人は性格も良く、外見に欠点がある人は内面も欠点が目立つ描かれ方で作者の外見至上主義な価値観が透けて見えるのがあまり好きになれない。
また、インパクトの強い連続殺人の話のわりにスピード感に欠け、同じ展開の繰り返しで飽きてくる。独断の行動で上司に叱責される、記者に捜査上の機密情報を暴露されて腹を立てる、といった場面が何度も出てくる。
『その女アレックス』を読もうとしたところシリーズものだと知り先にこちらを読んだが、もういいかなと思ってしまった。

第二部も読んでからの感想
これまで読んでいたのは小説の中の小説だった。記者というフィルターを通しているからこそのあのわざとらしさだったとわかれば納得、そして作者(ピエール・ルメートル)の手腕に驚き。日本のミステリーで似た構造の小説を読んだことがあるが全く気が付かなかった。
カミーユをはじめとする登場人物の植え付けられた人物像をリセットし、『その女アレックス』も読んでみようと気が変わった。途中で断念しなくてよかった。
ただ、原題は『入念な仕事(Travail soigné)』なのに、何故ほぼネタバレな邦題をつけてしまったのか。その点だけはもったいないと感じる。

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2025年03月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

先日読んだ「邪悪なる大蛇」が良かったので
ルメートル作品の三部作を手にとってみた。

カミーユ警部のシリーズは
第二作目に当たる「その女、アレックス」が大ヒットし、当時わたしも読んだのだけど、
今作はその最初の一冊目にあたる。
(出版の順番が前後したのだろうか??)

題名にあるイレーヌはカミーユ警部の愛妻の名。
初っ端から女性が残酷な方法で殺される事件が起こったり、そのイレーヌが妊娠中であったりすることから
なんだかもう嫌なイメージの結末しか浮かんでこない。

人物描写がわかりやすく、たくさん出てくるわりに
区別がつきやすく、読みやすかった。
中盤以降、話が動き出すとあとは一気読み。
思いがけない展開でワクワクしたものの、
結末はやや尻切れとんぼな印象。



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2024年11月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

筆者のデビュー作でヴェルーヴェン警部シリーズ1作目。
暗く胸糞悪い作品。
映画の「セブン」っぽい。
題名で何となく結末のわかる残念なタイトル。
結果どこまでが現実とリンクしていたのかわからなかった。
ただハラハラドキドキできて面白かった。
これは犯人の勝利。
カミーユこれ立ち直れるのか?
次作にも期待です。

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2024年10月20日

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