あらすじ
安野モヨコ、8年ぶりの新作ストーリーついに完結!
物語の舞台は、20世紀初頭のフランス・パリ。
花の都の片隅にある売春宿で、娼婦のコレットは夜毎訪れる変態紳士たちの相手をしていた。
彼女の唯一の救いは、時々現れては消えるヒモ男のレオン。甘い言葉を囁いては、金を無心するレオンを、コレットは突き放すことができないでいた…。
しかし、近頃姿を見せなくなったレオンに、コレットの心はかき乱されていく。そうして、彼女は客からもらった1冊のノートに、“欲望”の物語を描き、自分と向き合おうとするが…。
感情タグBEST3
一巻を無料で読んで、あまりの迫力に気圧されて、一気に二巻まで読んでしまいました。
売られる女の人の悲惨さもちゃんと書かれながら、コレットが、きちんと自分や周りの人と向き合い、自分の置かれた場所と感情を丹念に見詰め、風俗に落ちても貢いでいた男への本当の気持ちを解明するのは圧巻です。
性風俗の話だし、18禁かな、と思いますが、赤裸々な人生哲学が本当に面白いです。
ああ…もう素敵!
名言と名キャラが多くて、エミールもユリスも超ド級の変態なのに良いところもあったりして。コレットの恋の顛末と小説を仕上げるまでの周囲の協力っぷりと、書き終えてドアを開けたらアイビーに首しめられてるエミールが笑えて、カルメンとサカエとの再開にもジンと来て。そう、書くということは自分に絶望しないで掘り下げ続けることだという言葉を噛み締めた。
コレットとレオンの関係性
コレットとレオンの関係を見てると苦しくなります。人間の黒い部分を芸術として美しさも出しつつ映す安野モヨコ先生はさすがだなと感じています。
色んな変態
色んな変態がいるんだなぁと刮目する次第です。コマの間は黒を基調とし、植物などが彩っているがメランコリーな雰囲気…そして犬になりきるおじさんが、オチビサンに出てくるキャラに見えて二度見してしまった。
Posted by ブクログ
上巻に比べて苦しい。
外の出来事にはとても耐えられないと感じるのは、不当な扱いを受けても逃げようと考えないのは、自ら選んで檻の中で現実から目をそらすのは……
きっとそうしなければ、心を守れなかったのだと思った。
最後コレットが自分の欲望(望み?)と今までの呪いに気がつけたのが救い。
※漫画の後に『ANNORMAL』(図録)の解説まで読むのがおすすめ!!