【感想・ネタバレ】14歳〈フォーティーン〉満州開拓村からの帰還のレビュー

あらすじ

「昭和」を見つめ、一貫して戦争や国家を問うてきた著者の原点となったのは、1945年、14歳での敗戦体験だった。家族と渡った満州・吉林。敗戦後の難民生活は一年に及ぶ。「棄民」ともいうべき壮絶な日々、そして一家での日本への引き揚げ……。14歳という多感な少女が軍国少女となり、日に日に戦争に巻き込まれていく様を、自身の記憶と膨大な資料から丁寧に回顧し綴る。【目次】少女の行程/澤地家家系図/吉林市の街中の地図/はじめに/第一章 十四歳の少女/第二章 秘密/第三章 王道楽土/第四章 戸籍謄本/第五章 学徒動員・無炊飯/第六章 水曲柳開拓団/第七章 八月十五日・敗戦/第八章 いやな記憶/第九章 蟄居の日々/第十章 内戦下/第十一章 旧陸軍兵舎/第十二章 日本へ/おわりに

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Posted by ブクログ

ネタバレ

著者自身の14才当時の満州での日常が語られている。
どんな生活をしてたかが如実にわかる。

著者自身がソ連兵にレイプされそうになったシーンも描かれていてその後の人生にも影響があったとある。
中国人の家に住み込んで働き手として労働したり。
シラミだらけの体でいても平気になっていたり…。
下の弟たち(?)を伝染病で亡くしたり。

戦争は弱き者から犠牲になる。

0
2015年08月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

文字通り、また、筆者が自ら語った通りの「覚え書き」による体験記。その名の通りの「覚え書き」であるため時系列の前後が多々あり少し読みにくさを感じるが・・・、内容については何の不満も無し。

 無知な少女が大本営発表や軍国教育のために思想を染められてゆく様が、気味悪いくらいにリアルに伝わってきた。

ンタテイメントではないので読み始めるには少々「とっつきにくさ」を感じるかもしれない。しかし、日本人はこの本を一度読んでおく価値はある。

★3つ、7ポイント半。
2018.10.29.古。


「先生方の招集があいつぎ、空襲は日本本土全体にひろがる事態にあって、戦争が末期であると考えなかったのは、少女だけではなかった。自分の身が痛みを感じなければ、感情は眠ったままである」
 ↑↑
当時の(満州に住む)一般市民の心理をうまく言い当てているのだろうな。
また、、、南方諸島で多くの兵が敵ではなく飢えとと闘っていた時分の一部上級軍人たちも同様だろうね。


※最後、筆者による痛烈すぎる現代社会への批判。
澤地さんの想いは、弟の孫へ少しは伝わったのだろうか・・・。

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2018年10月29日

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