あらすじ
政治も経済も未曾有の混迷期にある現在、私たちは「リーダーシップ」という古くて新しい問題を、問い直す必要がある。安全保障の激変期における政治家とは? 金融崩壊後の市場で持続可能な成長を実現し得る経営者とは? 明確なビジョンを示す上司とは? 本書は、古今東西の政治家や歴代の日本の首相に言及しつつ、悩める時代を突き抜ける「7つのリーダー・パワー」を提言する。韓国元大統領にしてノーベル平和賞を受賞した金大中氏との対談も収録。指導者不在が叫ばれる日本社会で、現代を代表する政治学者が思い描く、理想のリーダー像とは? 【目次】はじめに 私はリーダーになるのが怖かった/第一章 カギは「半歩前」だ――そろそろニュー・モデル/第二章 あなたも「リーダー」になれる?――リーダーシップ・ビジネス篇/一 多少、肉食系がいい/二 姜尚中流「七つのリーダー・パワー」/第三章 「見てるだけ」ではダメです――リーダーシップ・政治篇/一 何だったのか、「小泉劇場」/二 土壌を作ろう、参加しよう/第四章 【対談】幸いなる邂逅――アジアのリーダー、金大中氏に聞く/終章 歴史と勝負する――「責任力」もしくは「信じる力」/おわりに
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Posted by ブクログ
大学の時の英語教授法の横田先生おすすめの著者。
大学時代に初めて組織や団体のリーダーになって、リーダーとはどうあるべきかを考えた。
リーダーを終えた後読んだ本であったが、自分の目指していた理想像の一部が描かれていた。
特に、コミュニケーションを研究していた自分としては、fasicationという言葉の重要性に気をつけている。それはカリスマ性と必ずしも一致するとはわかならいが、人を魅せることが出来る人達に僕は会ってきた。そんな人たちは、人々から信用されるしついていきたいと思ってしまう。
行動を起こす前に三度考えるという金大中元大統領の言葉は心にささったが、慎重になれない時って自分にはまだあると自覚している。
Posted by ブクログ
個人の「自由」を追求する風潮がやや様変わりし「リーダーシップ」が時代のキーワードとなっている。
筆者は金大中元韓国大統領からリーダーシップに関する大きなヒントを得た。それは人々の「半歩前」を行くことである。
柔軟な歴史の知恵を具えたリーダーが、今、待望されている。
・いま、求められているのは「超人」的なリーダーではない。
例えば、何を目指したらいいいのか、明確なビジョンを示してくれる上司。
将来にわたって、持続可能な成長を約束してくれる経営者。
そんな、「時代の要請」にかなったリーダーになるための「7つのリーダー・パワー」
1)先見力:リーダーに従う動機をフォロワーに教える
2)目標設定力
3)動員力:大衆を引きつける、カリスマ力
4)コミュニケーション力:人々にメッセージを伝える
5)マネジメント力:組織を運営し、経営していく管理的な能力
6)判断力:知識や情報のストックが必要
7)決断力
金大中元韓国大統領の考えるリーダーシップ
「言葉の力(錬金術)」:言葉の力によって、大衆の心をわしづかみにする力
「責任力」:「優れたリーダー」の能力はどこに帰着するかというと、結局、リスクを背負える勇気があるかどうかである。スケープゴートにされる可能性も覚悟して、なおかつ精神的に耐えられるか、ということ。
「信じる力」:自分の思い描くビジョンがあって、それにすべてを賭けて、すべてを託して、そこに自分を投げ出すこと。「信じる力」のあるリーダーにして、初めて「歴史と勝負する」ことができる。「日々の要求に従う」ことが「時代の、歴史の要求に従う」ことに繋がる。