あらすじ
犯罪被害者の問題を真っ向から取り上げた衝撃作『風紋』。その7年後を描く。――母を殺された真裕子。新聞記者・建部。父が殺人者となった大輔。3人を中心に、それぞれに関わる人間の姿を余すことなく活写する。『風紋』に勝るとも劣らない心理描写に慟哭必至の大作。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
風紋から7年後、加害者と被害者の家族のその後を描いた名作。
母を殺された真裕子。新聞記者・建部。父が殺人者となった大輔。それぞれの人生は途方もない道筋を辿っていく。
レビューをわけていない為、3冊通した後の感想をわけて掲載する。
自身の作品で、衝撃的な殺人事件を加害者、被害者の立場から表現した作者が、同じ舞台、続編という形で、それぞれの家族がどの様に生きているのかを描いた作品。
それぞれの救済は。
被害者の家族、母親、祖父母がいたたまれない。母親についても鼻につく描写が前作から多かったが、事人の息子が妹を殺害してしまう程の罰を与えた筆者に恐怖を感じる。
最後まで読み進め、読者ごとに心に残るものは違っていると思う。ハッピーエンド、バッドエンドについて、僕はその物語が進むべき方向に歩み、作為がなく着地する事が好ましい着地だと思っていたが、この作品はそれぞれのエンディングを用意しており、しかも極端に表現されている。
後味は実は良くないが、風紋と続けて読むと更に壮大になる作品である。