あらすじ
走ることについて語りつつ、小説家としてのありよう、創作の秘密、そして「彼自身」を初めて説き明かした画期的なメモワール。
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Posted by ブクログ
具体的に内容は覚えてないんだけど、村上春樹は意外と身体性を重視してたのが驚きだった。あとはバーを経営しながら小説を書き始めた頃の話も載ってて、気取ってる作家かと思われがちだけど(自分も比較的そういう印象があった)意外と努力や苦労を重ねてるんだなと。ただダンスダンスダンスとか多崎つくるの話とかでは前向きに生きること、しんどい時でも耐えることを伝えようとしてる感じはあるから、作品からもそういうのは読み取れるのかも。
Posted by ブクログ
村上春樹が「走ること」を通して、自分と向き合い、作家として一人の人間としてどう生きてきたかを語る。
ストイックに走り続けてきた人生。年を重ねれば身体能力は衰え、今までできてきたことが少しずつできなくなっていく。そんな自分に「何はともあれ、これが僕の肉体である。限界と傾向を持った、僕の肉体なのだ。」とあるがままに受け入れ自分を納得させる。
「与えられた個々人の限界の中で、少しでも有効に自分を燃焼させていくこと、それがランニングというものの本質だし、それはまた生きることのメタファーでもあるのだ。」
「大事なのは時間と競争をすることではない。どれくらいの充足感を持って42キロを走り終えられるか、どれくらい自分自身を楽しむことができるか、おそらくそれが、これから先より大きな意味をもってくることになるだろう。」
結びの言葉が村上春樹という人間の魅力であり、これからも走り(書き)続ける彼の強い意思を感じた。
「僕の墓碑銘なんてものがあるとして、その文句を自分で選ぶことができるなら、このように刻んでもらいたい
村上春樹
作家(そしてランナー)
1949-20**
少なくとも最後まで歩かなかった
今のところ、それが僕の望んでいることだ。」