あらすじ
競争における究極の武器はチームワークである!
経験豊富な経営陣、完全無欠な事業計画、他の企業には望むべくもない一流の投資家、ことさら慎重なベンチャーキャピタルも列をなして投資を申し込み、オフィスも決まらないうちに有能なエンジニアが履歴書を送ってくる。そのベンチャー企業の将来はバラ色に見えた。しかし2年後、業績不振のため37歳のCEOは解任され、新たに150名の社員の頂点に立ったのは、古くさいブルーカラー企業出身の57歳の女性だった……。
チーム作りの天才である新任CEOが活気あふれるチームへと再生させていくプロセスとノウハウを、ビジネス・フィクションの形で描き出したレンシオーネ渾身の1冊。
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このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
小説仕立てで、チームを機能させる方法を説く。
完全に機能しているチームなんて世の中でごくわずかなので、誰が読んでも参考になる部分があるはずだ。
本書で述べてる概論は、すべて帯に集約されている。この帯書いた人えらい。
・信頼の欠如(意見は一致してないのに、議論が起きない)
・衝突への恐怖(不満があっても、会議で意見を言わない)
・責任感の不足(決定したことでも、きちんと支持しない)
・説明責任の回避(衝突を避けて、互いの説明を求めない)
・結果への無責任(各自の仕事にかまけて全体を見ない)
個人的には、説明責任への回避は、かなり難しいテーマだと思った。自分の横のメンバーに対して注意をするのは、よっぽどその前段階の「決定」に、全体が合意していないと難しい。隣のチームの目標が低すぎるんじゃないか?向こうにだけ、予算が偏重している…そんな思いを抱えたままでは、説明責任を求めるのは難しいだろう。
筆者は解決法を、
・目標と基準の公表
・簡単な定期進捗レビュー
・(個人ではなく)チーム報償
と説いているが、これはあくまで責任感の不足が解消されていることが前提である。
他気になったメモ
・政治的とは、自分が本当にどう考えるかではなく、ほかの人にどう反応してほしいかによって、言葉や行動を選ぶことです。(これ、とってもスマートな定義)
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Posted by ブクログ
2024/11/8
シンガポール行き帰りの飛行機でやっと読み終わった
信頼、衝突、責任感、説明責任、結果重視
人ではなく仕事に対して
Posted by ブクログ
本書は、結果を出すためにはチームワークが必要であり、チームとして行動できない機能不全をどのように解決するかを説明した本である。
著者のパトリック・レンシオーニは、テーブルグループというコンサルティング会社の社長であり、過去に「意思決定の5つの誘惑」「なぜあなたのチームは力を出しきれないのか?」を上梓している。 本書はビジネスフィクション3部作の最新作となる。
アメリカのビジネス本では、よくあるスタイルのストーリー仕立てのビジネスフィクション形式で構成されているが、最終章には彼が提唱しているモデル(チームにおける5つの機能不全:Five dysfunctions of a team)を詳細に説明している。
モデルの概要としては、以下のとおりだが、⑤をトップとしてピラミッド型を形成している。
① 信頼の欠如
② 衝突への恐怖
③ 責任感の不足
④ 説明責任の回避
⑤ 結果への無関心
物語としては、シリコンバレーの新興ハイテク企業に、旧弊な自動車業界から女性CEOキャサリンがやってくるところから始まる。 強豪よりも、資金も潤沢で、核となる技術も優れており、経験も才能も豊かな経営陣を擁しているディシジョンテック社が、売上高と顧客獲得数で競合他社に遅れをとっている。 その大きな理由はチームとして機能していないことが大きな原因と見て、改革に奔走する。
モデルの一番最下層の「信頼の欠如」の改革から始まり、建設的な議論(衝突)、責任感の醸成、説明責任の徹底、そして会社としての結果への重視へ進んでいく。 その過程で、会社の方向性に合わずに会社を去る人に加え、CEO自らクビを言い渡す出来事も起こるが、最終的に会社の目標を達成するという物語である。
部分最適になっているが、全体最適になっていない原因がチームワークの欠如であり、その大元の原因が、モデルを形成するピラミッドの根底にあるメンバー間の信頼がないということである。 信頼の醸成ができていないが故に、建設的な衝突を回避してしまい、全社目標を達成するために本来果たすべき責任に無関心になり、自分の保身に走る。 その結果が、部分最適の方へ向かい、会社としての結果を出せない、という縮図になっている。
物語を読む前に、最終章である「モデル」から入って一通りの理解をした後に物語に入ったほうが、このモデルが言わんとしている要点が理解できると思う。
物語自体は一番底の①から始まっており、また対処法としては比較的分かりやすい①②に目が行ってしまう。 また、本物語のクライマックスといえる(?)マイキーへの退職勧告は、まさしく①の欠如が理由となっていた事からも、その様に感じる。 しかしながら、最終章を読み、モデルを俯瞰したときに一番重要に感じるのは、やはり一番最上にある「⑤結果への無関心」であると感じた。 才能がある人を切るということは、一見不合理に見えるし、実際物語中のキャサリンCEOが取った衝撃的な行動に対して、感覚的には同意できなかった。 しかし、最上位の「結果」からブレイクダウンして各機能不全ポイントを俯瞰して考えると不思議と腹に落ちた。
もう一度ストーリーを読み返したときに、「結果」が最重要であるということは、ナパバレーにおける最初の社外会議で、キャサリンCEOが発した言葉が象徴していることに気づいた。
・「はっきりさせておきたいんだけども、私達がこの場所に集まったのも、そしてこの会社にやってきたのも理由は一つだけ。 結果を出すためです。 チームの真価を図ることのできる指標はそれだけだと思っていますから、今日はこれから、そして私がここにいる限り、結果を重視して行動していきます。」 (41~42ページ)
そして、その次のコメントで、①~④はあくまで結果を支えるための手段であることが分かった。
・「ただし、私達がチームとして行動できずにいる原因を解決しなければ、絶対にこうしたことは実現できません。」(42ページ)
実際、②の建設的な衝突をするためには、①の信頼が必要であるし、③の責任感(決定事項に対する責任感)も、②の衝突があった結果がもたらすものである。
「結果」が最重要だということを踏まえた上で、チームワークに必要な子細な要素という視点でストーリーを読み込んでいくと、より理解が深まるのではないかと思う。
Posted by ブクログ
p94,
「政治的とは、自分が本当にどう考えるかではなく、ほかの人にどう反応してほしいかによって、言葉や行動を選ぶことです。」
THATS IT!