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Posted by ブクログ
震災のことが書かれていることは事前にネタバレしていたが、ここまでリアルとは思わなかった。
それは、作者自身が2011年の3月11日、取材のために仙台に足を運んでいたことからくるもので、あそこで芭子が経験したことは、ほぼ作者の体験談だという。
あの日、東京で地震に遭った自分ですらそれなりには大変な目に遭い、辛い思いや多少のトラウマもあったが、仙台で被災して、でも向こうに生活の拠点があるわけではない作者と、そして芭子はどれほどのものを抱えているのだろうか。
あの地震が、全ての人々の人生を大きく変えてしまったと書かれていたが、人生だけではなく、この小説の結末さえもあの地震が変えてしまったような気がした。
Posted by ブクログ
前科持ちの主人公2人の日常が淡々と綴られるなかで、
3.11が起き2人の違った生活が始まる。考え方も変わる2人。
もう少しで震災から5年。この本の内容を知らなく読み始めたのに,この時期にこの作品を読んだ事がなんだか不思議。
あとがきに書いてあったけど、この作品も最初は前科持ちの2人のささやかな生活を積み上げていく日常を描いていたそうです。
あえて何も起こらない話を書こうと。
物語もそろそろ終わりに近づいた所で、綾香の本当の心に
触れないとと思い、主人公綾香の代わりに彼女の故郷仙台に
著者の乃南さんが実際に行った日に震災が起きたそうです。
乃南さんが実際に体験した事パプニングや震災の時の様子が後半入っているので凄くリアルで、あの日を思い出しました。
実際の体験から生まれた後半も私的にはしっくりきて良かった。
前作の2作品も読んでみようと思う。
Posted by ブクログ
芭子ちゃん子供っぽすぎ。20代の殆どを服役してた設定だからか。すぐ泣くし。だからこそドラマになるのかな。綾さんの心境の変化がよくわからなかったけど、「そしてそれきりになった」辺りとか最後はちょっとうるっと来た。「ずーっと2人で仲良く暮らしました。めでたしめでたし」なんて乃南アサ的じゃないのか。でもハッピーエンドなら良かったな!
Posted by ブクログ
作者から興味を持って、シリーズ3冊を一気に購入。
完結に向かう「あの大きな出来事」。本当に何も知らずに「知っている土地が物語に出てきたぞ~」と少々浮かれて読み進めていたので、思わず息苦しくなり本を閉じてしまいました。自分もあの時そこにいた当事者であったという事実を改めて感じました。作者の実体験に基づいているということで、あの時そんなことも起こっていたのだと知ることができました。
ハコさんと綾香さんの物語も良かったのですが、「あの大きな出来事」の描写に動揺してしまい、感想が…