【感想・ネタバレ】NTT30年目の決断 脱「電話会社」への挑戦(日経BP Next ICT選書)のレビュー

あらすじ

“課題先進”の通信業界を待ち受ける
「成熟化・土管化・同質化」の三重苦に先手
裏方に回る10兆円企業の戦略を徹底解剖

民営化30周年の節目を迎え、NTTは大きな変貌を遂げようとしている。
通信業界では市場の「成熟化」、米アップルや米グーグルなどの台頭による「土管化」、
端末やサービスの「同質化」という三重苦が鮮明となりつつある。
NTTはこうした環境の変化を踏まえて先手を打ってきた。
北米進出を加速し、国内では、ICT(情報通信技術)の利活用を推進する
“裏方”に転じた持続的な成長を目論む。

不毛な販売競争と決別し、ゲームチェンジを図ってきた同社が目指すのは、脱「電話会社」。
そのためには従来の自前主義へのこだわりを捨て、長年築き上げたブランドの希薄化もいとわない。
本書では、遂に“目覚めた”NTTの戦略を徹底分析する。

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Posted by ブクログ

同業界に勤める関係から目を通してみたが、直接係る話もあり、最後まで興味をもって読めた。

現業や種々の情報収集を通じて、ここ最近のNTTグループが抱える現状は自分なりに理解しているつもりだったが、体系的かつ網羅的に整理されている本書を読んだことでより具体的なイメージがつき、かつその現状と通信業界の今後の展開を見据え、裏方で日本を支えるというNTTグループの決意が伺える。

事実ベースの書物としては、やや大袈裟な言い回しが気になったものの、それはそれで読み手を飽きさせない効果があると思える部分もあり、実際のイメージがつく分読み物としても楽しく読めた方だと思う。

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2015年11月16日

Posted by ブクログ

”課題先進”業界の舞台裏が生々しく語られていた。特に、光コラボを巡るNTTグループとKDDI・ソフトバンクや総務省の攻防は興味深かった。

以下、著書より。
「携帯電話業界は現在、『成熟化』『土管化』『同質化』の三重苦に直面している。」
「『主役の時代は終わった』−。
 NTT持ち株会社の鵜浦博夫社長は就任以来、こう言い続けてきた。」
二〇一四年六月に開始したドコモの新料金プランについて。
「NTTドコモが当初、個人向けに用意したパケット通信のプランは、毎月の通信容量が二Gバイトの「データSパック」と同五Gバイトの『データMパック』の二種類。ユーザーからすれば、「とりあえず安いプランを選んで様子を見よう」となる。『約三分の二がデータSパックに駆け込んでしまった』(NTTドコモ幹部)。」
今後のNTTグループの役割分担については以下のように語られていた。
「NTT持ち株会社の鵜浦社長は、NTTドコモを消費者向けの窓口としていく方針を明らかにしている。必然的にNTTデータとNTTコミュニケーションズは企業向けの窓口を担い、NTT東西は光コラボの開始でインフラの構築と運用の役割が色濃くなっていく。」

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2021年08月08日

Posted by ブクログ

テレコム業界誌「日経コミュニケーション」記者によるNTTを巡る業界本シリーズの最新作。

日コミのこの手のシリーズはどこまで分析に深く踏み込むかで質にけっこう差があるのだけど、今回はまあ良くもなく悪くもなく。ここ数年のNTTグループは急速なグローバル展開、NTTドコモの苦戦、光コラボレーションモデルによるNTT東西のビジネスモデル転換とかなり環境が大きく変わってきているので、そのあたりの流れを網羅的に抑えるには役立つが、新鮮味のある分析があるわけではないという印象。

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2015年09月05日

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