あらすじ
ロンドンの高名な紳士、ジキル博士の家にある時からハイドという男が出入りし始めた。彼は肌の青白い小男で不愉快な笑みをたたえ、人にかつてない嫌悪、さらには恐怖を抱かせるうえ、ついに殺人事件まで起こしてしまう。しかし、実はジキルが薬物によって邪悪なハイドへと姿を変えていたのだった……。人間の心に潜む善と悪の葛藤を描き、二重人格の代名詞としても名高い怪奇小説。
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Posted by ブクログ
多重人格の話しとは知っていたが
そもそもの始まりは薬だとは知らなかったから驚いた。
また、中身だけでなく外見も変化するという点で
誰からも気づかれないからこそ抑制が効かなくなってしまい、悪が加速したのかなと感じた。
一度悪に手を染めると中々戻れない
人の弱さを感じた。
Posted by ブクログ
この作品が世に出たときは、きっと内容の怪奇さと、人の心理の二面性をこんなに鮮明に書き出した、生々しい善と悪の心の葛藤の物語を、共感と驚きをもって多くの読者は絶賛し読まれたに違いない。
※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。
二重人格というだけでおおよそのことは想像できるし、今では二重人格どころか多重人格、解離性同一性障害等という一層複雑な病名まで知られてきている。
そんな物語なので、つい最近までストーリーも分かったような気分で改めて読もうとは思わなかった。
それが「2020新潮文庫100」でリストを見ているうちに、現代の多くは不遇な子供時代の心の傷や不幸な環境がつくりだしたという話が多い解離性の心の病気とは違って、これは意図してふたつの人格を作りだした話だ。
主人公が何時、どうやって、親友や雇人にも見分けられないほど異なった外貌を持つようになったのか。
深入りしなければ気にならないようなことだが、これは原作を読んでみないと、面白みは分からないのではないかと思った。
まず
ハイドを作り出したジキル博士とは
二重人格を作り出した方法
ジキルとハイドの風貌の相違
お互いに対する認識
ジキル博士がハイドという人格になったことに周りはどう反応したか
そんな子供じみた興味でじっくり読んでみた。
結論。
スティーブンソンさんの作り出したおどろおどろしい雰囲気の文章も素晴らしい。医学的には多分創作だと判りすぎる部分は大雑把に適度に緻密で読み過ごせる。
殺人を犯して平然としているハイドを、恐れと後悔から、元に戻そうとする、分離できない体にする薬づくりに没頭するジキルの懊悩。
恵まれた環境のジキルには優れた友人もいた。その友人たちは、反面隠し続けた二つの姿が明らかにされるかも知れない知性を備えた危険な友人たちだった。
中でもジキルに遺言を託されたアタスン弁護士、その遺言書がまたナニコレで興味深く面白い。
最後のジキルの告白の手紙で全貌を知るラニヨン博士。
ここでジキルの手紙を読んだラニヨン博士の手記は圧巻、博士は死ぬほどの恐怖に捕らえられる。
ついに分離が薬の作用でなく、絶え間なく起き始める。
その時周りも、薄々ジキルの人格が分離しているのではないかと気が付き始める。
ジキルは子供の頃から密かに隠していた野蛮な本能が形になったことで、快楽だけではなく、次第に制御しきれないハイドの悪が力をつけて心を蝕んでいく。
自分で招いたこととはいえ、親友に向けた告白文は哀れだ。
堂々とした風采のジキル博士が薬を飲めば小柄で目をそむけたくなるような悪の雰囲気を纏った男になる。
ハイドは肌の青白い、小人のような男だった。はっきりとした病名のあるものではないにしろ、なんらかの奇形を思わせる。不愉快な笑み、臆病さと厚かましさがないまぜになった異様な振る舞い、どこか壊れたようなしゃがれた囁き声。それらすべてがハイドを不快に見せている。
ジキル博士といえば
長身で、均整の取れた体つきをした、人当たりのいい五十代の男。それがジキル博士で、少しばかりの狡猾さはうかがえるものの、肝要と優しさがそれをはるかに凌いでいる。
その体格の違いが生活するには様々な不自由がある、そのところなど読む面白さが十分で、読んでよかった、面白かった。
Posted by ブクログ
今となってはサスペンスやスリラーでお約束となってしまった二重(多重)人格ものだけど、当時はなかなか衝撃的だったのでは
本作のn番煎じのような話が映画で登場しすぎて、タイトルから既に展開が予測できてしまったが、それを全く知らない状態で読んでいたらめちゃくちゃ楽しめたのではと思う
とはいえ、わかった状態でもハラハラを楽しみながらサクッと読める良作
Posted by ブクログ
観劇予習のため。人為的に切り離された人格。こうも分かりやすく分離できる二つの相反した性質が、交じり合って中和されることもなくひとつの身体に同居していたなら、それを理性で抑制するにも限界はある。良い方向かどうかはさておき、最初の薬品に不純物さえ混ざっていなければ、運命もまた違っていたのではないかと考えてしまう。
Posted by ブクログ
『フランケンシュタイン』とかと同じで有名で何となくのイメージはあるけど、実際にはちゃんと読んだ人は少ない作品かな。はじめて読んだときはあまり面白いって感じではなかったけど、今回は楽しめた。ハイドがもっと無茶をするかと思ったけど、割りとあっさりしていたかな。善と悪を分けてしまうとやはりバランスが悪くなるんでしょうかね。2つを併せ持って人間なんだろうな~。
Posted by ブクログ
善良な慈善家ジキルは幼少期から悪への渇望も抱えていた。その悪をハイドとして薬で別人格にすることが出来たが、ジキル側が善になる訳ではなく悪と善を兼ね備えていた。最初は薬を飲んでハイドになる、つまり元はジキルだったが繰り返すうちに逆に、元がハイドで薬を飲んでジキルになるようになってしまった。人の悪と善の両犠牲、善が悪に対して良心の呵責を感じ、悪が善を煩わしく思う。
それを分かりやすくジキルとハイドに分離したのがこの本。善良な老人を殺さずハイドのまま生きていけたら良かったのかなとも思ったが、多分純粋悪なハイドはあの老人を殺さなくともどこかのタイミングで刑法違反を起こしてたから関係ないな。
最後のジキルの独白がとてもよかった
Posted by ブクログ
2024/10/30
読み始める前に、裏表紙に「なんとジキルが薬を使ってハイドになっていたのだ!」って書いてあっておい何ネタバレしてくれてんねん!って思ったけど、読んでみてわかった。メインテーマはそこではなく、二重人格の代名詞とも言われるジキルとハイドの二面性や内なる野望とそれを抑えようとする理性の葛藤が読んでいて面白かった!
短いから割とサッと読めるしスティーブンソンの代表作なので非常におすすめ。
ミステリーでもあり怪奇小説でもあり所々イギリスゴシックの雰囲気も読み取れるし、良作。1冊で楽しめる
Posted by ブクログ
本書は全ての人間に秘められた2面性を題材に話が進んでいく。本の裏書でジキルとハイドは同一人物だと明かされており、その事を知った上で読んだのだが、最後に書かれた博士の独白を読んで全ての謎が解けた。
無秩序な自由や快楽を求める悪(ハイド)と、それを抑圧する善(ジキル)が1つの肉体で交錯し、最後には死を持って終わりを迎えてしまう。
訳者のあとがきも面白かった。
Posted by ブクログ
赤毛のアンに出てきたお話。ハイドが思った以上に悪いやつやった。舞台もあると知り、興味。肝心のところは、ほとんどの人がそうであるように知ってたので驚きはなかった。あまり、ジキルの告白にもついていけなかった部分はあった。ただ、あとがきに書いてあったように、ファンタジーのようにも、人格が分裂した人の話のようにも、善と悪の話のようにも思えるところが名作である理由なのだと感じた。