あらすじ
ロンドンの高名な紳士、ジキル博士の家にある時からハイドという男が出入りし始めた。彼は肌の青白い小男で不愉快な笑みをたたえ、人にかつてない嫌悪、さらには恐怖を抱かせるうえ、ついに殺人事件まで起こしてしまう。しかし、実はジキルが薬物によって邪悪なハイドへと姿を変えていたのだった……。人間の心に潜む善と悪の葛藤を描き、二重人格の代名詞としても名高い怪奇小説。
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Posted by ブクログ
多重人格の話しとは知っていたが
そもそもの始まりは薬だとは知らなかったから驚いた。
また、中身だけでなく外見も変化するという点で
誰からも気づかれないからこそ抑制が効かなくなってしまい、悪が加速したのかなと感じた。
一度悪に手を染めると中々戻れない
人の弱さを感じた。
Posted by ブクログ
『フランケンシュタイン』とかと同じで有名で何となくのイメージはあるけど、実際にはちゃんと読んだ人は少ない作品かな。はじめて読んだときはあまり面白いって感じではなかったけど、今回は楽しめた。ハイドがもっと無茶をするかと思ったけど、割りとあっさりしていたかな。善と悪を分けてしまうとやはりバランスが悪くなるんでしょうかね。2つを併せ持って人間なんだろうな~。
Posted by ブクログ
善良な慈善家ジキルは幼少期から悪への渇望も抱えていた。その悪をハイドとして薬で別人格にすることが出来たが、ジキル側が善になる訳ではなく悪と善を兼ね備えていた。最初は薬を飲んでハイドになる、つまり元はジキルだったが繰り返すうちに逆に、元がハイドで薬を飲んでジキルになるようになってしまった。人の悪と善の両犠牲、善が悪に対して良心の呵責を感じ、悪が善を煩わしく思う。
それを分かりやすくジキルとハイドに分離したのがこの本。善良な老人を殺さずハイドのまま生きていけたら良かったのかなとも思ったが、多分純粋悪なハイドはあの老人を殺さなくともどこかのタイミングで刑法違反を起こしてたから関係ないな。
最後のジキルの独白がとてもよかった
Posted by ブクログ
2024/10/30
読み始める前に、裏表紙に「なんとジキルが薬を使ってハイドになっていたのだ!」って書いてあっておい何ネタバレしてくれてんねん!って思ったけど、読んでみてわかった。メインテーマはそこではなく、二重人格の代名詞とも言われるジキルとハイドの二面性や内なる野望とそれを抑えようとする理性の葛藤が読んでいて面白かった!
短いから割とサッと読めるしスティーブンソンの代表作なので非常におすすめ。
ミステリーでもあり怪奇小説でもあり所々イギリスゴシックの雰囲気も読み取れるし、良作。1冊で楽しめる
Posted by ブクログ
本書は全ての人間に秘められた2面性を題材に話が進んでいく。本の裏書でジキルとハイドは同一人物だと明かされており、その事を知った上で読んだのだが、最後に書かれた博士の独白を読んで全ての謎が解けた。
無秩序な自由や快楽を求める悪(ハイド)と、それを抑圧する善(ジキル)が1つの肉体で交錯し、最後には死を持って終わりを迎えてしまう。
訳者のあとがきも面白かった。
Posted by ブクログ
普通にミステリーとしても楽しめたし、
ただの二重人格というだけでなく、人間の善悪の二面性に焦点を当てているところが面白かった。
ジキル博士(表の人格)がハイド(裏の人格)に依存してしまっていくのは、普段自己を抑圧している人は特に共感できるのではないだろうか。
Posted by ブクログ
二重人格の物語としてあまりにも有名なので、ミステリー小説という面から見れば、トリックを知ってから読んで楽しみが減ってしまった感じはあるが、怪奇小説、そして、二元論の物語としてはとても面白かった
『ヘンリー・ジキルが語る事件の全容』の章で明らかになることだが、
×
薬を飲む→悪の自分が出てくる
また薬を飲む→善の自分に戻る
⚪︎
薬を飲む→普段押さえつけている自分が出てくる(善であろうと悪であろうと)
また薬を飲む→2つの人格が入り混じったいつもの自分に戻る
↑このシステムなのが物語の深みを増してるなと思った
自分がもし薬を飲んだ時にどんな自分が現れてしまうのかちょっと興味ある
善と悪・心と身体の二元論について考えさせられた
Posted by ブクログ
赤毛のアンに出てきたお話。ハイドが思った以上に悪いやつやった。舞台もあると知り、興味。肝心のところは、ほとんどの人がそうであるように知ってたので驚きはなかった。あまり、ジキルの告白にもついていけなかった部分はあった。ただ、あとがきに書いてあったように、ファンタジーのようにも、人格が分裂した人の話のようにも、善と悪の話のようにも思えるところが名作である理由なのだと感じた。