あらすじ
「ゲームは子どもに悪影響?」
「子どもはほめて育てるべき?」
「勉強させるためにご褒美で釣るのっていけない?」
思い込みで語られてきた教育に、科学的根拠が決着をつける!
「データ」に基づき教育を経済学的な手法で分析する教育経済学は、
「成功する教育・子育て」についてさまざまな貴重な知見を積み上げてきた。
そしてその知見は、
「教育評論家」や「子育てに成功した親」が個人の経験から述べる主観的な意見よりも、よっぽど価値がある―
むしろ、「知っておかないともったいないこと」ですらあるだろう。
本書は、「ゲームが子どもに与える影響」から「少人数学級の効果」まで、
今まで「思い込み」で語られてきた教育の効果を、科学的根拠から解き明かした画期的な一冊である。
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Posted by ブクログ
教育生産関数という大枠の説明において、インプットに外的インセンティブを与える方が結果がよくなる。その上、内的インセンティブの差がほぼなかったというところが印象に残った。
また、結果ではなく、具体的な達成内容を褒めてあげるべきであるなど、指導する立場であるからこそ参考になる点が多く面白かった。
非認知スキルに関して、閾値はあるものの大人でも育てられるということには少し救われた気持ちになった。
指導する立場にある方には是非読んで欲しい。
Posted by ブクログ
【データが覆す教育の「定石」】
◎子どもと関わる全ての方にオススメ
・教育政策に科学的な根拠が必要
・人生の成功に重要な非認知能力
・大人でも非認知能力は鍛えられる
・ご褒美をいつ与えるのか、また「ほめ方」か大切
【感想】
2015年発行の本書、夢中で手が止まらず読み進めました。とても10年前とは思えない。
どうしても学力、数字で見えるものに囚われてしまいがちですが、「自制心」「やり抜く力」を育てることを頭の片隅に置いて子育てします。
大人も「非常に遠い先にあるゴールに向けて、興味を失わず、努力し続けることができる」、これからの人生まだまだ成長できそうです!
それにしても…日本では全ての人が教育を受けており、教育に関しては一家言ある(あくまで個人的な経験なのに)、なるほど…。
全然(?)変わっていない日本の教育にがっかりしつつも、しっかり目の前の子どもと向き合おうと思わせてくれた本書。お手軽な育児はありませんね。
Posted by ブクログ
子育てをすると誰もが一度は気になる疑問に、データで根拠を示しながら答えてくれる本。
幼児教育として認知能力を高めても8歳前後で他の子と差がなくなるのが印象的だった。
Posted by ブクログ
目の前ににんじんをぶら下げる方が勉強する。すぐに得られる報酬には飛びつく。将来の報酬より魅力的に見える。
インプットにご褒美を与える。=報酬とやること、が明確に結びつく。結果に報酬、では何をしていいか分からない。
勉強へのご褒美は、内的動機付けを失わせない。
自尊心と学力の関係は相関があるが、学力が高いから自尊心が高い、自尊心を高めても学力は高まらない=褒める教育は一概には言えない。むやみに褒めても、実力の伴わないナルシストを増やすだけ。
学力の高い友達がいると学力が上がる、はレベルが違いすぎると効果が無い。=習熟度別学級は効果がある。
最も収益率が高いのは、就学前教育。ここにお金をかける。非認知能力があがる=忍耐力、意欲的、社会性、誠実性、好奇心、などは人から学ぶものだから。自制心、やり抜く力。筋肉のように継続と反復で鍛える。しなやかな心がやり抜く力を育てる。しつけを受けた人は年収が高い。
少人数学級は、効果があるものの費用対効果では低い。教育熱心な親が少人数学級を選ぶこともあるため、効果の測定は難しい。
学力テストの学校毎の順位を公表するのであれば、学区の環境(生活保護率、学習塾の数、修学援助率など)も公表すべき。
行き過ぎた平等主義=同じ教育を行えばいいわけではない。家庭環境が違う。
土曜日休みは、学習時間の格差を拡大した。
親の学歴による子どもの学習時間の差は学年が上昇するにつれて拡大する。
平等主義は、思いやりや親切心に欠ける子どもを作りやすい。努力すれば成功できる、を植え付けると、成功しないのは努力していないのだ、という考えに繋がる。不利な環境にいる他人を思いやることができない人間ができる。
自治体はデータを外部にできる限り公表すべき。世界中の学者が、それを元に分析してくれる。南アフリカ政府の作戦。
いい先生に出会うと人生が変わる。いい先生とは、子どもの学力の上昇幅を大きくする先生。
そのためには、参入障壁を無くす。=教員免許を無くす。免許を持っていても質の差は大きい。