あらすじ
戦国の世、井伊家を背負って立った女がいた
徳川四天王・井伊直政の養母、直虎。彼女は先を視る不思議な力を持っていた。戦国の世に領主となった女の熾烈な一生を描いた渾身作。
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読みながら、大河ドラマを思い出していました。
どちらも、小野政次がかわいそうで…。
来世ではぜひ幸せになってほしい。
それと、この徳川家康はかわいいおじいちゃんですね。この家康は好きです。
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徳川四天王・井伊直政の養母で、女性でありながら井伊谷の地頭を務めた実在の人物、井伊次郎法師直虎の一生を描いたお話。
なんとなく歴史小説が読みたくて手に取った。大河ドラマにもなっていたのだね。そちらは見てません。
歴史小説、、、というよりは、なんか恋愛ファンタジーみたいな感じもしたけど、面白かったです。
直虎の鈍感さ加減と実直なくらいの強さと不可思議な力のバランスが、なんとも言えず魅力的でした。
「動くな、但馬」からの、香と政次の運命の描かれ方が、とても良かった。二人の関係性が切ない。香目線からと、読者目線からと、両方含めて読んでいったので、政次が不憫でならない。もう少し上手いこと生きられたらよかったのにね、とか。
あの時代、女性でトップにたつのは、本当に大変だったろう。不思議な力があったと考えられ設定されても違和感はないな。
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井伊直虎(香)と16世紀後半の井伊谷の激動の歴史を辿った時代小説。本作が作者の初の本格時代小説ということに驚かされるほど完成度が高い。
タイトルの「剣と紅」。女性でありながら「生涯たった1度の紅だった」ことに冒頭で触れ、途中でも効果的に「紅」を登場させることで、香という人物の、井伊家存続と井伊谷の死守への献身が実に象徴的に表現されている。大河ドラマも非常に面白かったが、これこそ小説ならではの魅力だと思う。
また、女性作者ならではの「女いくさ」のハイライトも本作を彩っている。剣を持てぬ女性であるが、自身が妻として嫁ぐことで他家、場合によっては敵との結びつきを強め、戦を防ぐ、或いは戦を勝利に導くことができたという点を露わにしている。これも女性蔑視といった視点からドラマでは表現されにくい点ではあるが、女地頭という直虎以上に歴史に名を刻んだ女性は数えきれないのではないかと思う。
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・これを読んで大河の人物相関がよく分かった。
・逆に大河の俳優さんたちで想像しながら読めるのも楽しい。
・かなり泣けた。
・但馬の描き方は大河と違って所謂定説の方だけど、それがまた良い。
・とにかく読みやすい。
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剣ももたず、紅も刷かず。
香が魅力的なのは、男としての武力、女として嫁ぎ子を産むこと、どちらも選ばずに生きたこと。
史料が少ないと思われる題材を、ファンタジー要素や伊那の女性きぬの視点を交えて豊かに丁寧に描いた作品。
全編シリアスながら、合間に入る直政と家康の会話はユーモラスで楽しい。
権力や野心をエネルギーに活動する男性たちに共感できない香の気持ち、よくわかります。
いままで歴史小説が読めなかったのは(作品にもよるんでしょうけど)、「女と権力」へ向かう男性の欲望が理解できなかったからなのか…とこの作品を読んでいて気づきました。
合戦の場面がないので地味といえば地味なんだけれど、そのぶん主家や周辺との駆引き、婚姻による家同士の結びつきの大切さが印象に残ります。
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大河ドラマを楽しみにするために出張中に購入。
これはすごい!
近くに住みながら、こんな人がいたなんて。
知っている地名が出てくる、出てくる。
井伊直虎、他の書籍も読むことみ決めました。
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歴史ものは苦手だけど、高殿円さんの作品なら!!と読んでみた。
やはり人の名前が読めないし覚えられないし。。。。
家系図以外に人物相関図が欲しかった(笑)
でもやはり高殿さんの文章は切なくてステキ。さくさくと読める(笑)
物語として、十分に楽しめた。
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そもそも井伊家の運命そのものが数奇である。今川と徳川の狭間に揺れ、目付家老の陰謀で男系根絶の危機に陥る。戦国の動乱の中、その井伊家を守った直虎の生涯は、まさに「剣を持たぬ女の戦」という表現にふさわしい。次郎法師として黄泉の力を持ち、実は家康も信玄も、彼女に命運を握られていた。読み終わったとき、直虎に恋をしてしまった自分がいた。
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謎多き直虎の史実を元につくられている作品。
もちろん『つくられている』ので実際の話では無いが、フィクションと言いきれないのが歴史の面白さ。
そしてその史実でさえ事実かは分からないが、こんな当主がいたかもしれないと思うとロマンがあるなと思った。
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戦乱の世、家を守ることの過酷さと切実さが、直虎の奮闘を中心に繊細に描かれた傑作。ややファンタジーに傾く部分があり賛否は分かれるところかもしれないが、いつの時代も女は強かったのだと感嘆することしきりである。読後、簡にして要を得たタイトルにあなたもしびれることだろう。
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剣と紅、男女を象徴するどちらも持たずに生きた井伊直虎の一生。大河を見ていた為、登場人物は全て彼らのイメージで読んだ。
井伊家存続のため、奔走した人かと思っていたけどそのために振り回され続けた人だった。幸せでなかったとは思わないけど、辛いことも多かっただろうな。
女の一生を使う道具で見る手法は珍しくて面白いと思った。
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来年の大河ドラマの主人公である井伊直虎を題材とした小説。
史実をよく調べた上で、直虎が予知能力を持っていたというファンタジー的なフィクションを絡ませており、読み物として楽しめる内容だった。
井伊家の歴史、直虎が女性ながら城主となった経緯がしっかりと説明されていて、勉強になった。
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来年大河の主人公の伊井直虎の話(原作ではない)。
発表されてる配役をうんうんイメージ通り♪いやちょっと違うかも。。と思いながら読んでいました。
戦国武将の名前は似ているのが多いので、これは誰?!と思うことはたびたびながら、物語としてはとても読みやすいものでした。語り手である養子の直政と家康の会話がとても楽しかった!
黒い雲云々はなくても良かった気はしますが、なければやはり地味・・・の一言なのかなあ。
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ー生涯、ただ一度の紅であった。
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おんな城主直虎という大河ドラマが好きで、ドラマが終わった頃に買った本。ドラマでの直虎、鶴(政次)、亀(直親)のバランスとドラマでのオリジナルの龍雲丸が好きだった。この本では新たにきぬがキーパーソンとなっててきぬ目線での語りに直虎の生き様が描かれている。
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女として生まれながらも領主として国を動かさなければならない重荷がありながらひたすらに生きる姿に、今の自分の生き方も考えさせられる内容。
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大河ドラマにもなった戦国の女領主井伊直虎の物語。
直虎を名乗る香の幼少から亡くなるまでの物語ですが、尼時代の話がメインでした。
井伊直虎として、戦で活躍する様な物語ではありません。戦よりも、戦国時代の難しい他家との関係の中、どうやって井伊家を守り通したのかという物語。
この井伊家ってほんと大変だったんですね。
策略にはまってどんどん男が亡くなっていく。そして、その策略を図っていたのが小野政次。
敵対役としてキャラが立っていて良かったです。
そんな政次と主人公の香の微妙なそして切ない関係がまた良かったです。
さらに、香には予知能力があり、それがこの井伊家を救う事になるかと思いきや、そんなことはなく、逆に、その能力故に自分の無力さを思い知るという設定も良かったです。
本書では女の化粧がアクセントとして効いています。
最後
ー 生涯、ただ一度の紅であった。
この一文が彼女の激動の人生を表しています。
やっぱり時代小説って読むのは疲れる(笑)
名前は変わるし、婚姻関係で親戚作りしていくことから人間関係が分かりにくい。
それでも本書では、家系図がついていて、人間関係を理解しやすかったです。(何度も見直してしまった)
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嫁がず、産まず、女地頭として、後の徳川四天王、井伊の赤備えで武勲を誇った井伊直政の養母にして、遠州錯乱の時代に一命を賭して、一族を護った井伊直虎の物語。
しかし、いつの世も女の情報網というのは侮れないな。
最後の一文には、ぐっとくるものがあるな。
本作では、サブキャラだが肥汲みからのしあがった豪商、瀬戸方久が実に惹かれるな。
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2017の大河ドラマの主人公であった井伊直虎の生涯。
徳川四天王として名を馳せる井伊家ですが、それ以前は大名の庇護や無茶ぶりの下、お家の生き残りをかけ、知恵を絞る一族でした。
ま、大河見ればわかるんじゃないかな。見てないですけど。
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大河『直虎』が面白くて見続けてしまっているので、買って読んだら、こっちも面白くてどうしよう!
登場人物をドラマの俳優陣で想像しながら読んだら、余計に面白くてこれまたどうしよう!!
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上からも下からも板挟みの苦難を乗り越えていく生涯は波瀾万丈で引き込まれたけれど、先を視る不思議な力を持つという設定は作り込み過ぎかな。皆をあっと言わせる痛快な剃髪の場面だけでも男を凌ぐ器量が伝わるのに。
直親や政次との描かれ方は、恋愛感情というより“同郷同士の友情”の方に近くて本書の直虎像に合っていた。女でありながら、家とその命を守るという己の役割を軸とし貫いた生き方は天晴れ。
記録から自分の名前を削らせたという件に込められた彼女の切なる願いが印象深い。
女領主としての直虎の戦の陰に、名もなき多くの紅の戦があったことも深く心に刻まれた。
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こんなに面白い人が、何故今までクローズアップされなかったのだろう。
死の影を予知する直虎の神通力などは何処まで本当かわからないが、あくまで公正で誰に対しても心を配る直虎の姿勢は凛としていて清々しい。
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来年の大河ドラマの主人公がこの作品で描かれている「井伊次郎法師直虎」ということで読んでみました。作者は大胆なフィクションを織り込んで作り上げ、井伊家を乗っとてしまおうとする今川、小野との謀略戦は騙し合いのミステリとしても面白い。
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「トッカン!」シリーズの高殿円さんの歴史小説。戦国時代に女領主として活躍した井伊直虎の一生を描いた作品。普段あまり読まないジャンルの小説なので読み進めるのに苦労したが、面白さは十分感じられた。先を見通す力を持つ主人公でも、悲劇は避けることはできない。後半、香がその力を認め領主としてどう家を守っていくか知恵を絞りつくして策を実行していく点がよかった。また、こういう小説を理解するためには、ある程度の歴史の知識も必要かなと自分の知識不足を痛感させられる。感想が上手くまとまりませんがこんなところです。
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来年の大河ドラマの主人公について、知りたかったので読みました。登場人物があまり有名ではないため、なかなか把握できず…井伊家の家系図は載せてありましたが、井伊家以外の人達の説明も参照できると良かったです。話はドラマチックに仕上げてあり、主な人物に対してイメージを持つことができたので、ドラマではどんなアレンジになるのか、楽しみになりました。
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戦国の世に生きた井伊直虎(香)の生涯を、息子直政が徳川家康に語る形で構成されている。
背景は戦国時代だが、戦いの場面の描写はほとんどなくて物足りなさも感じるが、登場人物たちが魅力的な人ばかりなので飽きずにすがすがしく読めた。
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読み易くて良かった。2017年の大河ドラマになるそうですね。楽しみです。
あらすじ(背表紙より)
「紅はいらぬ、剣を持て」井伊家二十二代目当主直盛の娘・直虎は、言うが早いか、強引に結婚を迫る相手の腰から刀を抜き取り己の髪を切り落とした―。のちの徳川四天王、「井伊の赤備え」で武勲を誇った井伊直政の養母にして、遠州錯乱の時代に一命を賭して井伊家を守り抜いた傑女の、比類なき激動の人生。
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来年2017年の大河ドラマということで読んでみて、そこそこ量もあり(?)読みごたえがあった。話自体は色々あったけど、期待していた、剣をとって戦うみたいなシーンがなかったから、どのようにしてドラマ化されるのかがあんまり想像つかなかった。政次を誰が演じるかで全然かわってくるけど、これよく考えたらドラマの原作って訳ではないから、本当どうなるんだろ。