あらすじ
右傾化する日本と世界、親米保守という矛盾、領土問題の本質、反知性主義ともいえる現状……。この国が来た道、行く道を、『日本辺境論』『街場の戦争論』などの内田樹氏と『永続敗戦論』で大注目の論客、白井聡氏が縦横無尽に語りつくす。「敗戦の否認」という呪縛や日本人に眠る「自己破壊衝動」など、現代日本に根深く潜む戦後史の問題の本質をえぐりだす。戦後70年、集団的自衛権や憲法改正の問題を考える前に、ぜひ読んでほしい一冊。
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Posted by ブクログ
白井聡氏の著作「国体論」に興味をもったものの、専門的な内容のため断念。本書は内田樹との対談形式で読み易くなっている。戦後日本を貫く呪縛。「対米従属を通じての対米自立」「敗戦の否認」「永続敗戦の構造は戦後の国体」 もちろん、いずれの敗戦国も敗戦の否認を行ってきたのであるが、日本とフランスは戦後の症状が重い。日本では戦争を指導していた人たちが戦後、ふたたび支配的な地位に留まり続けたことが歪みを生んでいる。親米的雰囲気は、かなり人為的に作られていった部分が多い。戦中派は明言しないものの、アメリカに勝つ!という目的を共有しており、代替戦争としての経済競争があった。戦後生まれが支配的となった現在、目的を失い倒錯した経済成長戦略を続けている。尊敬できるブルジョアジーがいない。「カタストロフ願望」 無謀な戦争は、実は日本人が日本を憎んでいたから、と述べたのは興味深かった。近代日本のトラウマは150年経ってもいまだに言語化されない。現代でも不合理な選択をし続けており、破局願望から逃れられていない。
Posted by ブクログ
「敗戦経験を正面からクールかつリアルに総括するという事業が七〇年にわたってネグレクトされてきた」(P20)
今読んでおくべき本だと思った。ひとつひとつなるほど!となるのだけど、自分の中でまだ消化しきれていないように思う。