【感想・ネタバレ】チームの力 ――構造構成主義による“新”組織論のレビュー

あらすじ

一人の人間にできることは限られている。でも、チームを作れば“巨人”にもなれる。チーム作りとは希望を作ることでもあるのだ。「日本最大級の支援プロジェクト」を運営した著者が、独自のメタ理論「構造構成主義」をベースに説く、チームのための新しい組織論。チーム作り、リーダーシップ論、戦略の立て方、モチベーションを引き出す極意、トラブル解消法など、チームの力を最大限に伸ばす原理と方法を明らかにする。

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Posted by ブクログ

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これは面白かった。
構造はとてもシンプルなんだなと思う。理論的、方法論的にまとめられている感じもあるけれど、その割には実践ですぐに使えそうなアイディアばかりで、役に立ちそう。

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2015年07月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本書は「目的に応じたチーム、ひとりではできないことを達成するためのチームをどのように作ることができるか」というテーマについて、構造構成主義に基づく3つの原理(価値の原理、方法の原理、人間の原理)を元に説明している。
3つの原理に通底するのは、関心相関性原理、言い換えれば「物事の価値や意味は関心に応じて立ち現れる」という原理である。少し単純化してまとめれば、チームが掲げるビジョン、追求する指標、方法の選択、人選といった物事を、チームの目的に即して決定することが肝心である。これが本書から得られる知見である。
ところで本質に即したチームの目的という関心と、人間的な自己保存の関心は表面的なところではときにせめぎ合う。例えば、職場で管理職を担う人は、ときに自分が目的を見失っていたとは認めたくない。また、自分のやり方を否定されたくない。あるいは自分への責任を免れるために前例に則りたい。
したがって、もし自分が組織を運営する立場になければ、本質に即した関心に応じてチームを変えるために説明と説得を試みる必要がある。そしてこれが難しい。
本書のチーム論のよいところは、「ふんばろう」という著者自らがリーダーを務める新しいチームの事例を中心に紹介しているにもかかわらず、既に走っている組織を底辺から変革するニーズにも答えていることである。本書によれば、本質に即した変化を起こすことが管理職(チームの運営権を持つ者)の関心にとっても有利であることを示せばよい。
また、本書は目的に即してどのような行動を取るべきかというレベルで関心が食いちがうときの考え方として、契機相関的観点を示しており、こちらも現場レベルで有効な道具であり、場合によっては自らの関心を修正することを可能にしてくれる。
ふだんは、自分が選んだ組織に明確な「目的」が不在だったとすれば、不運と自分の見る目のなさを恨むしかないのではと思いがちだが、本書のチーム論を自組織で活かせる可能性もあると信じたい。

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2021年06月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

構造構成主義という独自理論からチームの在り方を提唱している。ただ、独自理論というが言っている事自体は、そうだよねって感じなのだけど理論化することで汎用性をもたせられるところに価値はありそう。

チームとはそもそも何か?からミッションや目的の重要性を再考したり、深く掘っていく姿勢はすき(実際には本書では端的にまとめられちゃっているが)
また組織とチームの違いとして、時間軸でとらえた一過性のものをチームとすることで、最終的には「なくなるべき」と主張しているのはとても賛成。

あとは構造構成主義の根本原理に関して展開しているお話だった。

「戦略と実行」でも言われていたことが理論化されていたのが価値の原理で、価値とはそれぞれの関心と目的に応じて立ち現れるもの。
そしてその「関心」は何かしら契機=きっかけから生まれる。
だから全ての価値判断は個人的体験をきっかけとして生まれた関心から生じるものなので、その価値判断の前提となる関心・契機を理解し合おうという流れ。
[契機→関心→価値]というステップで捉えていたので、自分の中で非常に整理された。
正しいかどうか、良いか悪いかという価値判断も結局はその根底にある関心からきているし、目的が同じでも意見が対立するのは個々人が異なる経験を通して異なる関心を形成しているからだろう。

手段は目的に応じるとはいわれるが方法の原理では、そこに状況も付け加えているのでまあ確かに、と納得。様々なフレームワークも「それを使うことで目的は果たせるのか?」「今現在の状況に対して有効なのか」と問うことが必要なんだと。言われてみれば当たり前だけど、目的は常に明文化するがその状況下でどうかってあんまり明文化して考えてこなかったかも、と反省した。

他にも前例主義に陥る体質としてサンクコストの観点から「失敗を回避することに関心がある」ために、変わろうとせず「現状を維持することに価値を見出す」という指摘はもっともで、ここでも価値の原理を活かして相手の関心に寄せたコミュニケーションを測ることが重要だと。

上司や同僚に対しても調査を通してメンタルモデルを理解し、自分が成し遂げたいことの価値を訴求するためにコミュニケーション設計する、という考え方が大事で、UXデザイン導入したいのにって言ってる人がUXデザインを導入するためのデザインができてないよねってケースに関連ある分野の話だなあと思った。

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2016年09月23日

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