あらすじ
かつて惹かれ合った若手舞台芸術家の国府と学生だった鴫原。二人の関係は国府の突然の渡英によって一方的に断たれた。しかし、3年後、過去を忘れ結婚を決意した鴫原の前に彼は再び現れた――。結婚をした鴫原と演劇界のカリスマのヒモ状態の国府。元にも戻れず別れることもできない二人は、夢と現実のはざまで、深海で呼吸も僅かに生きる魚のように、密やかに愛し合うことを望むが、切なくつらい結末が待っていた。
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切なさは二割増し
センチメンタルでありながら、それが逆上していくさまは読者に強く訴えかける何かがあります。離れられなくても、完全に混ざり合うことができない。二人の複雑な関係性が色濃く表現されていて、かつ後半の流れには胸が締めつけられる想いになりました。