あらすじ
「私がはじめて頭ではなく、心で書いた小説です」
そう作者が語る、今年度最高の感動作!
「一九九六年の秋から一九九七年の冬にかけて、レミちゃんはわたしたちと一緒に暮らした。」
――十五歳のわたしの家にとつぜんやってきて、一緒に棲むことになった三十七歳のレミちゃん。
むかし作家を目指していたレミちゃんには「ふつうの人と違う」ところがあった……。
季節の移り変わりとともに描かれる人の人のきずな、人間のみにくさと美しさ。
そして涙がおさえられない最後が待ち受ける。
いま筆力を最も高く評価されている、日本文学の正統な担い手による最高傑作。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
久しぶりに短めの小説。
芥川賞作家さんは苦手意識ありましたが、とても読みやすくて胸が苦しくなる、素敵なお話でした。
ふつう、ってなんだろう。
レミちゃんは「ふつうの人と違う」ところがある。違う、というか、とても繊細で感情に素直。ふつうってなんだろう。ずっと引っかかりながら読み進めた。誰の視点になるかによって「ふつう」は変わる。私はレミちゃんで藍子だった。
読み終わってからしばらく呆然とした。余韻。最後の言葉を繰り返し噛み締めていたら涙が出てきた。染み渡る文章がじんわりとよかった。
Posted by ブクログ
何かを失うこと、得られなかったことは、人生において傷になる。誰でもそういった傷をいくつか抱えている。
この小説は、そういった傷を少女が初めて自覚する過程を静謐に描いている。
ラストのシーンで、その傷を抱えて生きる方法を模索することを示してくれる。とても残酷だけど、優しい物語だ。