あらすじ
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1980年に日本で生まれた無印良品が、世界市場で成長を続けている。生活者の視点でのものづくり、簡素にして上質なデザイン――それらはどのようにして生まれるのか。無印良品を支えるクリエーターたちへのインタビューと詳細な取材を基に、無印良品の「デザインの秘密」を分析する。本書は、無印良品の成功の秘密をデザインの視点から考察しようというものである。「プロダクトデザイン」「コミュニケーションデザイン」「店舗デザイン」という切り口でさまざまに考察しているが、最も大切なのは大元にある思想を理解することだと考える。そこで本書を構成するに当たっては、4人のアドバイザリーボードの方々にインタビューにご協力いただいた。無印良品を支えるアドバイザリーボードの言葉は、読者が無印良品の成功の秘密を知るための助けになるはずだ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
大好きな無印良品のデザインについて知りたくて読んでみました。
シンプルな中にこだわりが詰まったデザインだからこそ、長く愛されているのだろうと思います。
「生活の基本と普遍を示し続ける」という言葉が印象的でした。
たしかに、無印良品のデザインは悪く言えばありふれていて、どこにでも真似できそうなものに見えてしまいます。
ただ、それでいて「無印がいい」と言わしめるデザインというのは、やはり非凡なものだと思います。
自分もデザインをする端くれとして、とても刺激になりました。
シンプルに見えるものでも細部にこだわって、デザインがないように見せる。
そんな自然に「そこにある」ようなモノを作ってみたいです。
Posted by ブクログ
想像以上に良かった。無印良品のイメージが長年の間に変わったことに興味があり、読んでみた。
実家近くの西友の中に、物心ついた時既に無印良品が入っていた。小学生中学生位までは幼かったのもあり「地味だなぁ」「(母親に連れられて行って)つまらないなぁ」という感じだった(今も子供の趣味ではないかもしれないけど)。しかし、大人になって気付いた時には洗練された印象にいつの間にか変化していたし、家具家電や生活雑貨を購入する店として選ぶようになっていた。
これは自分の趣味の変化だけでなく、西友のPBとして生まれた無印良品が良品計画として独立し、早い段階から経営者とデザイナーが直接繋がり、商品そのものや店舗設計・広告など全てをブレない姿勢で行い挑戦してきたことによるのだとわかった。無印の場合は「ありのままでいる」挑戦。売るためのものを作るのではなく、無印の論理にかなったものだけを扱うこだわり。デザインしていないように見せるデザイン。「これじゃなきゃダメだ」という強い嗜好性も誘う商品づくりではなく、良い意味で「これでいい」と思える理性的な満足感を与える商品づくり。叩き上げの今の会長が、デザインやデザイナーに対する理解が高く信頼も厚いというのも大きな要因。全て「そうだったのか!」ということだらけで、今まで何気なく店舗に寄っていたけど今度から見る目が変わりそう。
今はミニマリズムなど流行っているから不思議でないけど、バブルの時代にもコンセプトがブレなかったのは凄いことだと思う。あと、こんなに世界各地に早くから進出していたのは知らなかったし、「Found MUJI」に対する知識はなかったので知れて良かった。働いたら楽しそうな会社だと思った。
・キーワード
エンプティネス、わびさび、「これでいい」、アノニマス、素のまま、感じ良い暮らし
Posted by ブクログ
無印良品のデザインとデザインフィロソフィーを余すことなくというほどではないにしても語り尽くした本。
リアルに「でいい」という、「唯吾を知る」という立脚点が表れていて素晴らしい。
Posted by ブクログ
目指すのは究極の“これでいい”。
デザインを経営に活かす。
メインデザイナーが社外にいる、ということの効果。
無印良品の商品デザインの話かと思ったら、良品計画という会社そのものの在り方の話だった。
面白い。
★プロダクトデザイン
月1回のアドバイザリーボードミーティング。
結論は求めない。価値観を共有する場。
実際の開発に着手する前に、まず「どんな商品が求められているのか」を見極める。
オブザベーションを効果的に行うためには、異なる分野の人間がチームを組むことが重要。
デザイナーは視覚化する能力に秀でている。
最後の線まで書き込んで全体像を明確にしたうえで経営者に提言しなければならない。
壁化する家電、残る家電
⇒壁に近いものほど部屋の一部としてなじむように四角く、人に近いものほど体になじむように丸くなる
★コミュニケーションデザイン
エンプティネスという概念。
シンプルとは違う、イマジネーションの共有。
IDEA PARK
⇒顧客とのコミュニケーション、社内での共有
Found MUJI
⇒”世界各地の無印良品”を見つける、その価値観を共有する
⇒顧客、社内スタッフ、店舗スタッフ
Posted by ブクログ
無印良品の大切にしていること、それを実現するために行っていることが見えてくる本。デザイナーさんよりも、マネジメント層の方に役立つ内容かと思います。
いいことが習慣化されるといい文化が醸成される。
そんな感じがしました。
Posted by ブクログ
無印のデザインの考え方と会社としてのポリシーがよくわかる。
グローバル展開しているのに、デザインはローカル対応していないのにあれだけ評価されているのは素晴らしい。
Posted by ブクログ
これがいいではなく、これでいい。の理念。
理念を背景にして、社外デザイナーとの定期的ミーティング。本田技研で言うところのワイガヤっぽいミーティング。
顧客情報・国外視察から問題を開発して解決アイデアを提示、それから発売化まで3次の開発会議の仕組み。
問題開発の元となる多岐にわたる顧客データから、開発テーマを挙げるフィルターとなっている社員が2名なのには少し驚きました。
理念を共有して、養った目を持って世界に出てデザインを輸入してプロダクト化を検討する。
理念の共有+審美眼を持つ+社内の仕組みを持つ無印の開発。
社外のプロとの具体的な繋がり方には興味ありますね。