あらすじ
灘校で中学3年間をかけて『銀の匙』1冊を読みこむという授業を続けてきた橋本先生の教育論。「国語はすべての教科の基本であり、学ぶ力の背骨」という伝説の教師が国語の学び方を伝えます。「早急に答えを求めてはいけない、すぐに役立つものはすぐに役立たなくなります」など「学び」の原点に気づかされる1冊。
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Posted by ブクログ
『銀の匙』を読んだあと、灘で教材として使われていたと知り
興味を持ったので手に取りました。3年間『銀の匙』のみという
究極のスローリーディング!2012年に満100歳を迎えた著者は
21歳から71歳まで教壇に立った。
「どんな授業だろう?」と読み進めると意外と「文中の単語の意味を調べる」と
いうことにかなり比重が置かれていました、そこから脱線(例えば干支の話)していって
様々な知識を得ていくという方法です、あとは章ごとに生徒に題を
つけたり、作品に出てくる遊びをしたり、様々な工夫がされています。
昔はコピー機もないのでガリ版ですべての教材を自主制作、
それで一日が終わってしまうという教師の鏡のような先生。
先生が作られたプリントは血と汗と涙の結晶の教材でした。
教材がそんな風に作られたら学生さんも授業を聞かないわけにはいかなかったでしょうね(^-^)
Posted by ブクログ
『奇跡の教室』を読んだ時、エチ先生が実際に『銀の匙』の授業で使ったプリントを見てみたいと思いました。今回はそれが載っています。
綺麗な字とは言い難いですが、今はあまり見られない手書きのプリントに味わいを感じました。プリントといっても、ただ番号が振ってあったり、桝目があったり、線が引いてあったりと、ほとんど自分で内容を書き入れないといけないもの、書きいれることが沢山あるプリントです。
そして、そのプリント作りに多大な労力とお金(当時学校に予算がなく、エチ先生は仕事といっても好きなことをやっているので、仕事ではなく趣味と思えばいい。趣味にはお金がかかるものだ。ということでガリ版刷りの道具等を自費で買ったそうです^^;) をかけたそうです。本当に情熱がなければできないことです。そういう教師にであえた生徒は学ぶことを楽しいと感じるでしょうね。本当に羨ましい。うちの子達にも、そういう先生との出会いがあれば…(苦笑)