あらすじ
あたしは主人公にはなれない――。関根夏はそう思っていた。だが半年前の卒業式、夏はテニス部の先輩・志田から、秘密の使命を授かった。高校で代々語り継がれる〈サヨコ〉伝説に関わる使命を……。少女の一瞬のときめきを描く『六番目の小夜子』の番外篇(表題作)、『夜のピクニック』の前日譚「ピクニックの準備」など全10話。恩田ワールドの魅力を凝縮したあまりにも贅沢な短篇玉手箱。
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Posted by ブクログ
色々な味のある短編集。 やっぱり「ピクニックの準備」が大好き。 なかなか理解できないものや好みではないものもあったけども。
「睡蓮」は理瀬が出てくるので好き。亘の彼女に嫉妬するけど、それはそんな必要のない相手。父親との会話がぎこちない。まだ後継者としての自覚をする前の理瀬。 「春よ、こい」「国境の南」「図書室の海」が好き。
Posted by ブクログ
短編集。とりあえず全部大好きな深海のようで薄氷を踏むような雰囲気で好き。昔読んでよく分からんってなったのを、再読したらめちゃくちゃ好みだった。はっきり書かれてないのが昔ダメやったんやろなぁ、そこを漸く読み取れるようになったのか。
「春よ、こい」
春を目指して巻き戻る少女たちの女性たちの話。タイムリープ感と海底のようなしっとりじっとりした感じが大変好み。
「茶色の小壜」
会社の同僚が血を見て笑っている、それが気になり調べる女性の話。同僚の女性を同じように気になってたのに、いつ足を掴まれていたのか。はっきりと明記できない怪しさが好き。
「イサオ・オサリヴァンを捜して」
イサオのことを知っている人たちに話を聞く話。沼みたいに入ったら抜け出せない。この続きが読みたい。
「睡蓮」
理瀬シリーズ短編。理瀬が学園に行く前、亘と稔と住んでいて嫉妬を芽生えさせる話。亘の連れてきた女の子に嫉妬するの、亘のこと好きなんやろな、どういう種類かはさておき。そして亘の彼女を誘惑した男、理瀬の父親では?理瀬のこと好きな、親バカなのか。
「ある映画の記憶」
ふと思い出した映画を見て、古い記憶が呼び起こされる話。あの日、海で死んだ叔母は、なぜ死んだのだろうか。
「ピクニックの準備」
夜のピクニック前日譚。夜のピクニック読みたくなる。ここから始まったのか。
「国境の南」
喫茶店で人気だった店員は、水にヒ素を入れていた。そして同じ所で新たにオープンした店は、かつてその店の店長がまた始めた店だった。怖い、ゾワゾワする、何てフィクションって言い切れないすぐそばでありそうな様がもう。
「オデュッセイア」
ココロコ、という大陸が意思を持ち歩き、泳ぎ、背に人を住まわせ進む話。世界の歴史かのようで、最後に救いがあるのがまだこの世界を諦めていないようで良い。
「図書室の海」
六番目の小夜子の前日譚。ここから本編か、めっちゃ本編読み直したい。小夜子の代じゃなかったら、こんな風なのかもね。
「ノスタルジア」
懐かしい記憶、というお題から天敵の女から逃れられない話になる話。