あらすじ
ゴドン・ザルコスと別れた老騎士バルド・ローエンは、再びオーヴァ川の西に渡った。ロードヴァン城で行われる辺境競武会を観戦し、女騎士ドリアテッサの戦いのゆくえをみまもるために。傍観者としてその場に立ち会うはずの老騎士は、思わぬ成り行きにより、事態の渦中に巻き込まれてゆく。さらにバルドは、パルザムの王都に足を運ぶ。それははからずも、中原全体を巻き込む動乱の序章となるのだった。
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Posted by ブクログ
ドリアテッサが出場する競武会の血沸き肉踊ること。結局、バルトも模範試合に出て、見事に振舞う。ドリアテッサの成長ぶりも眩しい。おっと、出場した騎士たちもすがすがしくてよかったなあ。歌合戦でのバルドをきっかけにした騎士たちの合唱にも涙するぜ。この後、出てくる料理人のカムラーとバルトの掛け合いも楽しいね。「カムラーめ!」とバルトは唸らされてしまう。カムラー、いいねえ。ゴドンの姪のレイリアの恋は初々しいなあ。一服の清涼剤だね。バルトは、魔獣に襲われた砦を助けに行くが、ここでも見事な采配をする。帰路の人々を助ける冒険の旅も素晴らしい。同行のシャンティリオンはこれから重要な役割をするんだろうな。ああ、面白かった。
Posted by ブクログ
主人公バルドはお爺ちゃんだし~と毎回思うのだが読みだしたら止まらない。味のあるストーリーとメシウマ描写、味のあるイラストにノックダウンされます。
もちろん過去のある凄腕剣士のカーズの居ますし、ここぞと云う所で活躍する盗賊のジャルチャガも大好きです。
要所要所に女性の影もありスキのない物語です。
今回は辺境競武会での試合や歌にバルドもカーズもドリアテッサも活躍します。新登場のシャンティリオンと水戸黄門の世直し旅もどきもします。魔剣の謎も解明です。
外伝は『レイリアの恋』ザイッフェルト・ボーエンの息子ティグエルトと、ゴドン・ザルコスの姪レイリアの恋バナです。
面白い。続きが早く読みたい。
バルドって、老騎士なのにバイタリティがあふれてて、壮年期の人に勝ってしまうので凄い。
バルドの若き日の恋は実らなかったけれど、実ってしまっていたら王太子はいなかったわけだから、彼にとっては爺や(じいや)が今この時にいてくれて助かってるよねぇ。ところでジュルチャガのくだりが少ない。もっとジュルチャガの出番を出してほしかった。
Posted by ブクログ
パルザム王国での諸事を描き、中原に巻き起こる戦乱の始まりを描いた今巻は、一言で言うのなら、大変面白かった。いま現在読んでいるシリーズの中でも屈指の作品だろう。
文物への深い知識もさることながら、そこでの洞察の鋭さには本当に驚かされる。たとえば、私でもわかるもので言えば、歌が共鳴するものだ、という見解。これ体験でしか理解できないものに思われるのだが、折り返しを見て納得。なるほど、東京音大のご出身だったのか。
ストーリー展開のテンポの良さと、その裏で働く大きな動きとがよく計算されていて、様々な設定と展開が結びつき、少しずつ物語が披露されていく様は本当に心地よい。
不動の星五つである。次は冬に出るとのことで、刊行ペースが上がっているのは読者としては本当にありがたいところである。楽しみに待ちたい。
Posted by ブクログ
とうとうバルドが勝てない(カテ違いだが)ヤツが現れました(あははは)。その名はカムラー、この勝てなさ加減とバルドの悔しがりっぷりが非常に可愛いです。武闘大会も良いし、その後の〆方も素晴らしい。古代の鉈剣の正体も判明したし、いろいろとリビールされてきたが、バルドがちょっと組織にしがらんでいるのがうっとおしい。ともかく、早く決着をつけて旅に戻ってほしい。
Posted by ブクログ
表紙絵にある歌の試合シーンが最高。
映像化したら盛り上がるだろうなぁ。
自由騎士っぽかったのがだんだんと立場を背負うことになってきたのは、この話としてどうかと思うけど、先の展開は気になりますね。楽しみ。