あらすじ
ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。リミットは7日間。ライバルは日本人研究者・早川織絵。ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに籠めた想いとは――。山本周五郎賞受賞作。
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Posted by ブクログ
7日間の出来事がまるで自分もそこにいるかのような臨場感があった。原田マハさんの小説は自分がどっぷりこの世界観に入り込めるのと同時に、今まで知らなかった美術史にも引き込まれるので読書の時間がとても楽しい
Posted by ブクログ
初めて原田マハさんの作品「生きるぼくら」を読んで、すごく良かったので他作品も読んでみることに。
私が大好きな山田五郎さんのYouTubeでルソー特集を興味深く視聴していて、ルソーの愛嬌あるイメージを持って読んだのですが。
ルソーの作品を巡って色んな人の思惑が蠢いていてずっとハラハラしてページをめくる手が止まらず。いつもは通勤途中でしか読まないのに、病院の待合で、家で、一気に読みました。
最後、ルソーを理解する友人たちに救われて良かった。バイラー、あなただったのか!もう色々、驚きと感激。
ティムと織絵が再会したシーン、ジーンとしました。
素敵な作品でした!
ルソーの絵は上手いの??って思ってたけど、そもそもアートの価値観とは?改めて考えさせられました。
Posted by ブクログ
久しぶりに、本当におもしろいミステリーを読んだ。
他作家の一人称視点に慣れていたため、読み始めは三人称で淡々と進むストーリーに少し読みにくさを感じたが、進むほど作品の世界にのめり込んでいってページをめくる手が止まらなかった。
第一章と最終章は織江視点で、その他の章はティムの視点でストーリーが進行し、最後にふたりは長い時を経て再会する。そのときの語り手はどちらにも依らず、むしろふたりが同じことを感じているように語られる。ストーリーで重要な意味を持つ「夢」という言葉が物語を締め、その構成の美しさに打ちひしがれた。
各章は比較的短めで、うち3〜4割ほどは物語内の過去(史実?)なのでスイスイと読み進めることができる。気づけば半分、気づけば終盤というようにあっという間に読んでしまった。
内容について、まず、登場する人物名が非常に多い。しかも人物の大半が外国人で、カタカナで出てくるため混同しないように注意深く読む必要がある。ストーリーの進行につれて人物が増えて困惑しかけたが、クライマックスで重要になるのは5人ほどに絞られ、衝撃の展開を迎えることになる。
また、情景描写がとても巧い。倉敷の小さな美術館から大都会ニューヨークの忙しない街並み、バーゼルの自然まで、まるで目の前で見ているかのように簡単に想像することができる。
作者のアートに対する知識や愛情も溢れるほど詰め込められている。早川織江は原田マハ本人ではないかと思うほど、アンリ・ルソーや周辺人物について、美術初心者でも理解できるほど易しく紹介されていて、美術ミステリーに慣れない人でもすっかり作品の世界に浸れるだろう。
原田マハを読む度に感じるが、自分もいつか、世界の美術館や景色を見ながら、その土地でしか食べられないものに出会って、自分の世界を広げていきたいなと思う。
Posted by ブクログ
美術ミステリーを謳っているようだが、立場的にオリエに感情移入してしまった。研究熱心で優秀で、その道を突き抜ければさらに美術会に貢献できたのに。愛した男が妻子持ちで捨てられるとはね。純粋にその男の子供が欲しかったのかもしれないけど、今は居心地悪い環境で子供から距離をとられるとはね。この人生だから得られたものもある。でも、オリエはこの人生に納得してるのか?
最後はまた美術会にドップリ戻るのだろう。自分がオリエならそうする。
Posted by ブクログ
美術館より博物館派の自分にとっては芸術に関わる人(芸術家も美術館スタッフも蒐集家も)の考えていることが新鮮で面白かった。
名画に受ける感想や向き合い方が登場人物の感じたこととして文章として追体験できるのは良いなと思う。鑑賞のしかたの参考にしてみたいと思った。
作者とコレクターの正体はすこし見えてた感じだったのと、なんか恋愛要素はなくてもよかった気がした。
原田さんの感覚とは合わないのかもしれない。
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美術館とは、芸術家たちが表現し生み出してきた「奇跡」が集積する場所。動物園や植物園は、太古の昔から芸術家たちが表現の対象としてみつめつづけた動物や花々、この世界の「奇跡」が集まるところ。アートを理解する、ということは、この世界を理解する、ということ。アートを愛する、ということは、この世界を愛する、ということ。