【感想・ネタバレ】リンバロストの乙女 上のレビュー

あらすじ

リンバロストの美しい森の端に住む、優しく賢い少女エルノラ。実の母親に無慈悲で理不尽な仕打ちをうけながらも、虫の収集で学費を稼ぎ、町の学校に通うことを決意する。翻訳者・村岡花子が、「アン」シリーズとともに愛した永遠の名著。村岡花子がこの作品との出会いを綴ったエッセイ「夏のおもいで」を特別収録。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

懐かしい感じのする本。氷室冴子さんのマイディアを読んでから読みたかった本。ついに上巻を読み終えた。期待を裏切らない、好きな世界観。女子高生が蛾を集めて学費と生活費に充てるという現代ではありえない設定も100年以上前の時代だと思えば、すんなりと受け入れられる。洋服の細かい描写、ヘアスタイル、お菓子やお料理。そして、自然。何だろう、確かに好きなものが全部詰め込まれている。主人公のエレノアの出来すぎている感じも全然嫌にならない。(ちなみに、いいこと探しのポリアンナは苦手だった。)母親の完全に虐待な対応は読んでいて、胸が痛むけれど、当時この描写が問題になっていないのだから、よくあること、とまではいかなくても、そういうこともあるかもしれない、と思われていたのか。そもそも小説、物語だから本当のことではないから良し、とされていたのか。何にしても、ちょっとどうなの?という言動が目立つ母親。最後の最後で帳尻合わせてきたのか?いやいや、無理だろう、と思いつつ、きっとエレノアは許してあげちゃうんだろうな。下巻が気になる、終わり方。

0
2025年05月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1909年に出版されたアメリカ小説。女性作家ジーンポーターは生物学者としても優れていたが、この小説は彼女ならではの作品となっている。
(ネタバレ)
主人公エルノアは虫愛ずる姫君。蛾の収集オタク。シングルマザーに育てられるが、その母親が鬼母。愛する夫をなくしたことから立ち直れず、娘を可愛がれない。ドのつくケチで娘にお金を使いたくない。エルノアは高校に行きたいがお金がないので、インデアンの遺跡や蛾の収集でお金を稼いで、けなげに生きる。
最初はボロを纏って髪の毛も洗わず、クラスメイトに軽蔑されていたが、自分で稼いだ金で近所の人に服を縫って貰い、ついにはみんなの人気者に。
沼で溺れかけている夫を助けようとした時に産気づいたらことがきっかけで娘を恨んでいた母親は、夫が浮気をしていたことを知って急に娘に対する態度を改める。そして一緒に虫の収集を手伝うようになる。さらに虫の収集で知り合った金持ちのイケメンと最後はめでたしめでたしとなる。

このストーリーには突っ込みどころがいっぱいある。
美しい主人公は「蛾の収集オタク」。
自然愛好家でナチュラリスト。知識も豊富だ。でも知識をひけらかすし、思ったことをはっきり言う。
次に動物虐待のシーンが時々ある。二匹の猫の足を縛ってぶら下げる子供や、犬にいたーをかぶせて乗る場面など。いたずらっ子にさせるにしては残酷だ。

当時のアメリカ社会や価値観がよくわかって面白い。「ありえない」とわめきながら読むと楽しい。

0
2015年01月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昔、何かでタイトルを見て読みたくてたまらなかった小説。
いいですよねこの『リンバロストの乙女』って邦題。
イメージ的には表紙のまんまです。

が、可憐な乙女は虫を集めてました…。
そりゃまぁ、日本には『虫愛づる姫君』という超ぶっとんだヒロインが千年前にいましたけどね。
この可憐な乙女はそれをドレスやら教科書代に替えるわけです。
たくましすぎる可憐なヒロイン。
父親の死のせいで、娘に対しひどい仕打ちをする母親。
シンデレラの継母なんか尻尾まいて逃げ出すような行状です。
周囲はそんな母親に怒り乙女をかばいますが、ヒロインは自力で何とかしようと努力を重ねます。
そしてまぁ母親が心を入れ替えるんですけ・ど・ね

ちょーまて、手のひら返しすぎじゃないっすか!
かーちゃん!

いっそすがすがしいまでの愛憎の配分の逆転に口空きました。

面白かったけど……私の憧れはこっぱみじんに砕かれましたとさ

0
2014年12月23日

「小説」ランキング