【感想・ネタバレ】レフトハンドのレビュー

あらすじ

製薬会社の研究室で致死率百%のレフトハンド・ウィルスが漏洩。だが、主任の影山は研究の続行を要請する。受け入れられなければウィルスを垂れ流すと脅しながら。第4回日本ホラー小説大賞長編賞受賞。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

右手がすぽっとぬけて這い回るという、まさに海外のホラー映画にありそうな題材なのに、大味じゃなくて日本のホラー小説っぽく仕上がってるのが素晴らしい。

ウイルスに侵されることを恐れながらもドコか感覚が麻痺ってる研究所員の様子が会話の節々に出てて、生々しい。

主人公のウィルスに別の意味でとりつかれたような狂いっぷりもまた最高。

ラストがぼんやりしてるので、出来れば後日談が読んでみたいところ。

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2011年02月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

個人的には、彼の【アリス―Alice in the right hemisphere 】よりも、好みでした。
アリスの方が評価とか高いみたいなんですが。

話としましては、バイオハザード系ホラーです。
感染した人たちの、「レフトハンド」への描写がなかなかグロくて素敵です。

中井氏の小説はアリスでもそうでしたが(アリスの時は脳の仕組み?まわりの話でしたが。ヒトの意識が世界を作っている、といった概念的なお話)今回も「カンブリア紀」の話の詳細があり、雑学まで増えるようなカンジです。
複雑で難しい文章も多く、ナナメ読みしてると理解はできませんがきちんと読めばすんなりと入ってきます。

最初に、ジャパンテックという、舞台となっている会社のロゴマークが書かれているのですが、それをすっかり後ろのほうまで忘れてしまい、後で伏線として出てきた時には「やられた!」と思いました。

ラストの終わり方がなんとももにょもにょですが、とてもおもしろい小説だと思います。
どのページも真っ黒で(赤川次郎の本などは、会話が多く文章のしたの方まで書かれていないページが多いため、「白い」なぁと思うです)、読み終わるまでに時間がかかり、おなかいっぱいフルコースってカンジでした。
いや、普通にかなり分厚い本でもあるんですけどね。

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2012年05月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「レフトハンド」、最初にその題を見た時、自分の左手が自分の思うように動かせず、勝手に動きだすエイリアンハンドシンドロームのせいで事件になるという内容だと思いました。
ですが、実際は「LHV」というウイルスに空気感染、又は、接触感染した人間が発症後に左手が「繭」に包まれ、腕ごと肉体から「脱皮」するという当時に流行った「バイオ・ハザード」モノという印象でした。かといって、左手対人間という全面闘争になるわけではなく、恐ろしいウイルスの対処を背景にした人間ドラマのような内容だと感じました。
外部との交流があり、「LHV」が蔓延している閉鎖空間が舞台になっていて、今回の「バイオ・ハザード」の責任問題で焦っている外部と「LHV」を個人的興味で究明しようとする焦りのない閉鎖空間とのギャップはどこか微笑ましさを感じました。
けれど、中盤になるにつれてホラー小説であることを思い出したかのように読者に恐怖を与えてくるようになり、「LHV」患者の描写や左手の描写は独特の世界観ながら想像すると背筋が寒くなりました。

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2011年06月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

けっして読みやすい物語ではない。
難解な部分もかなり多く、登場人物たちの心理描写も独特の表現がされておりわかりにくい。
研究者とはかくも自分勝手な存在なのかと思ってしまうほど、影山や津川の思考や行動は極端だ。
研究はすべてのことに優先される。
例えそれが人類の生存を脅かすウィルスだったとしてもだ。
研究用に一株のウィルスでもいいから残したいと思う研究者。
すべてを隠蔽するために、人間社会の未来を守るために、根こそぎ消し去ろうとする会社や国。
もしもウィルスがどこかに保管されてしまったら、いつ何時、再び漏洩し社会を恐怖のどん底に突き落とすことになりかねない。
危険性を十分に承知したうえで、それでもなおウィルスを守ろうとする影山たちの考えは、やはり理解しにくかった。
終盤での展開には驚かされた。
人間を宿主として成長し、やがて宿主から離れ自立し、宿主を食い散らかして生きていくもの。
宿主と共生し、宿主を殺すことなく生きていくもの。
どちらも想像すると吐き気がするほど気味が悪い。
津川の選択が新しい道を切り開くのか。
それとも、やはり闇に葬られてしまう存在になってしまったのか。
国と研究者の戦いは、肝心の責任問題は棚上げにされたまま続いていく。
それでも最後まで読み通したのは、LHVの秘密が知りたかったからだ。
LHVはどこで生まれたのか。
何故三号棟でその研究がされるようになったのか。
何のためにLHVを研究していたのか。
こういった分野に興味がある人にとっては面白い物語ではないだろうか。

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2017年04月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ちょうど映画のRECを見た後だったこともあり、情景がよくわかりなかなか楽しめた。

ただもうちょっと長く読みたかったなというのが正直な感想。最後からさらに後半分くらい読みたいくらい。
続きとかあればいいのにな。

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2014年03月23日

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