【感想・ネタバレ】レフトハンドのレビュー

あらすじ

製薬会社の研究室で致死率百%のレフトハンド・ウィルスが漏洩。だが、主任の影山は研究の続行を要請する。受け入れられなければウィルスを垂れ流すと脅しながら。第4回日本ホラー小説大賞長編賞受賞。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

右手がすぽっとぬけて這い回るという、まさに海外のホラー映画にありそうな題材なのに、大味じゃなくて日本のホラー小説っぽく仕上がってるのが素晴らしい。

ウイルスに侵されることを恐れながらもドコか感覚が麻痺ってる研究所員の様子が会話の節々に出てて、生々しい。

主人公のウィルスに別の意味でとりつかれたような狂いっぷりもまた最高。

ラストがぼんやりしてるので、出来れば後日談が読んでみたいところ。

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2011年02月18日

Posted by ブクログ

製薬会社テルン・ジャパンの埼玉県研究所は、広大な敷地を持っていた。
木々に囲まれえた中に四つ建物を持ち三号棟では、スキンケヤーの研究が進められてたはずだった。
八月の今は、シートに覆われて建物の形が見えない。
周囲は黄色い柵に覆われて自衛隊が監視をしている。
ここ三号棟で六月にウィルス漏洩事件が発生したのだ。
漏洩事件の直後、主任を務めていた研究者影山智博が三号棟を乗っ取った。
彼は研究活動の続行を要請、受け入れなければウィルスを外へ垂れ流すと脅かす。
そして、テルン・ジャパンは一月で120万のアルバイトを募集した。
このアルバイトは影山の研究のためにテルン・ジャパンが用意したのだった。
そして若い二人が宇宙服を想像させるゴム装備を着て三号棟に・・・。

津川は恩師の後を引き継ぎ厚生省の学術調査員として派遣されて来た。
彼は、資料を見て千載一遇のチャンスでは?と考えていた。
自衛隊も厚生省の人々も入ったことが無い三号棟に入っていった・・・。
そして、影山に見せられた物はウィルスの感染された人の左腕だった。
ウィルスの名は、通称レフトハンドウィルス。
LHVと呼ばれてまったく未知のウィルスで致死率は100%。
空気感染をして、感染した人は、左腕が肥大し繭が出来やがて左手だけが未知の生物になり人は死んでしまう。
ウィルスの出所、確かなことがまるで解らない。

このウィルスと三号棟に関わるテルン・ジャパンの人々と厚生省の役人が二ヶ月も関わらない理由とは?
アルバイトで雇われた二人と津川によって事態が動き始める。


バイオハザードのホラーです。
実際にあったらバイオハザード4になるのかな?
ホラーは、怖い怖いと思わせるように書きますけどこの本の登場人物が個性的でしかも展開の先が読めないのです。
バイオハザードの中の人々の動きがとっても面白いです。
テンポもいいのでいいですよ

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

そういう終わり方。感染すると左腕が抜け落ち人を襲い徘徊をするウイルス、レフトハンドウイルスに魅入られていく津川さん。1人で大暴走してヒヤヒヤ。主人公はたしかに主人公していたけれど最後にまさかの人も主人公格に。キーマン。何度も何度も同じ単語が繰り返されるので思わず数えたくなった。微妙に違いはあるけど最初と最後が同じようなシーンでぞくっとした

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2021年12月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

個人的には、彼の【アリス―Alice in the right hemisphere 】よりも、好みでした。
アリスの方が評価とか高いみたいなんですが。

話としましては、バイオハザード系ホラーです。
感染した人たちの、「レフトハンド」への描写がなかなかグロくて素敵です。

中井氏の小説はアリスでもそうでしたが(アリスの時は脳の仕組み?まわりの話でしたが。ヒトの意識が世界を作っている、といった概念的なお話)今回も「カンブリア紀」の話の詳細があり、雑学まで増えるようなカンジです。
複雑で難しい文章も多く、ナナメ読みしてると理解はできませんがきちんと読めばすんなりと入ってきます。

最初に、ジャパンテックという、舞台となっている会社のロゴマークが書かれているのですが、それをすっかり後ろのほうまで忘れてしまい、後で伏線として出てきた時には「やられた!」と思いました。

ラストの終わり方がなんとももにょもにょですが、とてもおもしろい小説だと思います。
どのページも真っ黒で(赤川次郎の本などは、会話が多く文章のしたの方まで書かれていないページが多いため、「白い」なぁと思うです)、読み終わるまでに時間がかかり、おなかいっぱいフルコースってカンジでした。
いや、普通にかなり分厚い本でもあるんですけどね。

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2012年05月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「レフトハンド」、最初にその題を見た時、自分の左手が自分の思うように動かせず、勝手に動きだすエイリアンハンドシンドロームのせいで事件になるという内容だと思いました。
ですが、実際は「LHV」というウイルスに空気感染、又は、接触感染した人間が発症後に左手が「繭」に包まれ、腕ごと肉体から「脱皮」するという当時に流行った「バイオ・ハザード」モノという印象でした。かといって、左手対人間という全面闘争になるわけではなく、恐ろしいウイルスの対処を背景にした人間ドラマのような内容だと感じました。
外部との交流があり、「LHV」が蔓延している閉鎖空間が舞台になっていて、今回の「バイオ・ハザード」の責任問題で焦っている外部と「LHV」を個人的興味で究明しようとする焦りのない閉鎖空間とのギャップはどこか微笑ましさを感じました。
けれど、中盤になるにつれてホラー小説であることを思い出したかのように読者に恐怖を与えてくるようになり、「LHV」患者の描写や左手の描写は独特の世界観ながら想像すると背筋が寒くなりました。

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2011年06月22日

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これはマジいける!
先取り小説だな〜
1998年に書かれてるのに って思わせます
読んでみて!

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2009年10月04日

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製薬会社・テルジャパンの埼玉総合研究所の三号棟でウィルスの漏洩事故が発生した。漏れだしたのは感染者の左腕を捕獲し脱皮する、致死率100%のレフトハンドウィルスと呼ばれる未知のウィルスだった…。

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2011年07月16日

Posted by ブクログ

左腕が、本体の人間を離れて独立“歩行”するという、まかり間違えば C級スプラッタ映画のようになりがちな設定であるが、後半、何故左手だけなのかという説明が巧みであり、感心してしまうほどである。ただ、そういった科学的な根拠がしっかりしている分、ホラー要因が消されてしまっている感があるが、著者の力量でその分はカバーしているように感じる。

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2009年10月04日

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なんというジャンルなのだろう。ホラーコメディ?くだらない笑いもありつつ全体的にはホラーという、あまり読んだことのないお話でした。と言っても安っぽいわけでもないし、ちゃんと読めました。

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2022年01月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

けっして読みやすい物語ではない。
難解な部分もかなり多く、登場人物たちの心理描写も独特の表現がされておりわかりにくい。
研究者とはかくも自分勝手な存在なのかと思ってしまうほど、影山や津川の思考や行動は極端だ。
研究はすべてのことに優先される。
例えそれが人類の生存を脅かすウィルスだったとしてもだ。
研究用に一株のウィルスでもいいから残したいと思う研究者。
すべてを隠蔽するために、人間社会の未来を守るために、根こそぎ消し去ろうとする会社や国。
もしもウィルスがどこかに保管されてしまったら、いつ何時、再び漏洩し社会を恐怖のどん底に突き落とすことになりかねない。
危険性を十分に承知したうえで、それでもなおウィルスを守ろうとする影山たちの考えは、やはり理解しにくかった。
終盤での展開には驚かされた。
人間を宿主として成長し、やがて宿主から離れ自立し、宿主を食い散らかして生きていくもの。
宿主と共生し、宿主を殺すことなく生きていくもの。
どちらも想像すると吐き気がするほど気味が悪い。
津川の選択が新しい道を切り開くのか。
それとも、やはり闇に葬られてしまう存在になってしまったのか。
国と研究者の戦いは、肝心の責任問題は棚上げにされたまま続いていく。
それでも最後まで読み通したのは、LHVの秘密が知りたかったからだ。
LHVはどこで生まれたのか。
何故三号棟でその研究がされるようになったのか。
何のためにLHVを研究していたのか。
こういった分野に興味がある人にとっては面白い物語ではないだろうか。

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2017年04月24日

Posted by ブクログ

まさか、と思ったが読んでる最中は夜の暗闇がちょっとだけ怖かった。始めに正体バレてるのに、どうやって最後までひっぱるんやろう?って思っていたが、意外と最後は良かった。

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2014年05月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ちょうど映画のRECを見た後だったこともあり、情景がよくわかりなかなか楽しめた。

ただもうちょっと長く読みたかったなというのが正直な感想。最後からさらに後半分くらい読みたいくらい。
続きとかあればいいのにな。

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2014年03月23日

Posted by ブクログ

研究所でバイオハザードが起きて、感染すると左手が脱皮するお話。
まさに左手だけバイオハザード。

メインの主人公と思ってた人が端役だったり、何か好転するわけでもないお話。
これを読んだ後は、カンブリア宮殿を見る度にこの作品を思い出すことうけあい

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2012年03月18日

Posted by ブクログ

サイエンスホラーって分類になるんでしょうか。ウィルスものです。

中井さん、俺は嫌いではないのですが、文章自体はさほど上手なほうではないような。
カンブリアについての説明がグダグダだし、全体的にももっと削れる気が。

大満足できる本ではないとは思いますが、サラリと読むにはまぁまぁ、といった感じです。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

<きかっけ>角川ホラー小説で面白そうな本を探していた買った本です。
<コメント>実におかしなストーリーです 笑  とは言ってもホラー小説なんですけどもかいつまんでいってしまうと、
「ある製薬会社でウィルス漏洩事件がおき棟が封鎖される。そして、そのウィルスに感染したものは、死に至ってしまいやがて…左手だけが活動し始め、人間を襲う」というストーリー タイトルのまんまなんですけどねぇ(^^;)
結構楽しかったですよ♪

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

埼玉の製薬会社『テルンジャパン』3号棟でバイオハザードが発生した。
しかし会社も政府も、その事実をひた隠しにしていた。
3号棟の主任・影山が漏れ出した殺人ウイルス・通称『LHV』を盾に立てこもっていたからだ。
『LHV』の調査のため学術調査員として3号棟に入り込んだ津川はその恐るべき正体を知る。

えーと、いわゆるバイオハザードものなので、ホラーとはちょっと違います。
違うと思います。
何を怖いと思うかは人それぞれではありますが、私は怖くありませんでした。
というかですね、『LHV』―――通称『レフトハンド・ウイルス』に感染しますと、左腕が抜けるんですよ。
なんてわかりやすいネーミングでしょう。
手がもげて血まみれになって死ぬってのは怖い気がします。
でもそれ以上に、抜けた左腕がルンタタでそのへん走り回ってるてのがどうしてもギャグにしか見えないんですが。

や、ルンタタはちょっと違うとしても!
なんと吃驚、このウイルスに感染すると左腕が繭を作って巨大化し、最後には宿主の心臓を自分の物にして『脱皮』しちまうのです。
そりゃ人間の方は心臓を取られたら生きていけません。
しかし微に入り細に入り、その独立した『左腕』の形態やらを具体的に描写してもらって、どんなに想像してもやっぱり怖くありません。
だって『左腕』なんだもんよ(涙)!?
『エイリアン』みたく甲羅があって分泌液でネバネバしてて腋のあたりに『口』があって『触手』が生えてて死体を貪り食おうが跳ねながら歩き回ろうが、それが『左腕』だというだけで全然怖くないんだっ(涙)!!
まー『怖さ』を求める小説じゃないんだろうが……。

ちなみに登場人物はみんなどっか嫌な奴です。
責任逃れをするお役人、いざとなったら会社にフィリピンに逃がしてもらう予定の3号棟の上司、感染モデルに選ばれた嘘つきの家出娘に、30過ぎても無意識に男に媚を売る女性社員、主人公(だと思う)の津川も『LHV』に夢中で周りが見えない学者バカで独善的な男です。(……とかいうと本当にヤな奴だよおい)(でも実際私はこいつが嫌い)
ともかくそういった連中が『LHV』に関わり、その謎を解き明かそうと、あるいは闇に葬ろうとする物語です。
そして最後の最後に、『嫌な奴』だった何人かは海を目指すのです。
LHVが生まれたカンブリアの海ではないけれど。
登録商標を背負った女神が、炎に焼き尽くされる前に。

人間を殺してしまう恐ろしいウイルスなのに、そこから生まれた『左腕』は実際はひどく弱い生き物でしかないのが少し悲しかったかも。
しかしこのウイルス、スキンケア開発から生まれたってのは……なんか……(そりゃ大抵の女はスキンケア自体が娯楽だが((C)OL進化論))。

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2009年10月04日

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